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      <title>BBIQモーニングビジネススクール</title>
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      <description>「BBIQモーニングビジネススクール」をオンエア中！社会人や留学生を対象に「経営のプロ」を養成している九州大学ビジネススクールの教授陣をゲストに迎え、経済やビジネスの話題を幅広くお聞きしています。</description>
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      <copyright>Copyright 2012 CROSS FM.</copyright>
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         <title>マーケティングとは何か（その２）（マーケティング／出頭則行）</title>
         <description>今日が最終回ですが、モーニングビジネススクールは６年続いた長寿番組です。
番組は放送局の商品です。

マーケティングでは商品が大事で、基本の「き」と話しましたが、ロングセラーになる
商品には何かしらのバックボーンがあります。オーディエンスも変わりますし、商品の
カスタマーも変わってくるので、変遷に合わないと長続きしません。この番組も視聴者
は変わってきているのでしょうが、変わっていくニーズに応えているからこそ、これだけ
支えてもらえたのでしょう。

私自身は、マーケティングはコミュニケーション、と理解しています。公共的な組織の
場合もありますが、概ね企業からステークホルダーやカスタマー達に向けたコミュニケ
ーション活動がマーケティングと言えるでしょう。

今日は仮定の話をしてみましょう。ここに何処へでもどんな時代にも行ける、タイム
マシンがあった時に、誰に会いたいのか、それは何故か。

僕は今64歳で日本人の平均年齢は80歳だから、平均的には後16年ぐらい生きられるわけ
ですが、タイムマシンがあったら、死にゆく自分を見てみたいのです。なぜなら僕は両
親を看取っています。つい最近、父親101歳、母親は数年前ですが94歳で他界しました。
最期は意識朦朧で、やや認知能力が欠けていました。認知能力が欠けているように見え
る人間は、一体何を見ているかを僕は見てみたいのです。自分自身だから自分の心の中
には入れるのではないかと思います。はたから見ると、呆けているように見えるかもし
れませんが、今まさに死にゆく自分は何を考え、何を見ているのでしょうか。妻は多分
存命で、僕の妻になって良かったと思ってくれると嬉しいし、娘２人は父親であってく
れてありがとうと思ってくれていると嬉しいし、孫達はお爺ちゃんありがとうと言って
くれて、周りに集まっていていれたら嬉しいなあと思いますが、自分は最期何を見て何
を考えているのか、タイムマシンを持ったら自分の中に入り込みたいのです。想像する
に、ただ暗闇ではなく認知はあり意思表示が出来ないだけで、心の中では何か発生して
いるのではないかという気がして、是非とも自分自身の死に際にタイムマシンで立ち会
いたいのです。

今の話しは皆さんの心に残ったでしょうか？残ったのなら、このストーリーはマーケテ
ィング的には成功です。こんな話をするのは、結局マーケティングとはコミュニケーシ
ョンであるからです。マーケティングというのは畢竟、自分の企業だとかブランドにつ
いて心に残るストーリーを作って伝える事であると思います。商品はただ消費する対象
ではなく、その商品を取り巻く思い出やストーリーがないと、人には決して覚えられな
いので、心の中に残るストーリーを作るのがマーケティングだと思います。それが
マーケティングというものの全てと思います。


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         <category>出頭則行教授</category>
         <pubDate>Fri, 30 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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      </item>
            <item>
         <title>マーケティングとは何か（マーケティング／出頭則行）</title>
         <description>今日と明日は、マーケティングとは何かというテーマでお話します。

マーケティングの概念は非常に多義的です。例えばドラッカーは、企業には
イノベーションとマーケティング、２つの機能しかないと強調しています。
マーケティングは、立場や職種により色々な定義があるので、百人百様の定義
があるとすら言われていますが、はっきりしているのは売れない企業は存続
出来ないということです。そこで、私にとって最適な定義は、「売れる仕組み
を企画し、実行することがマーケティングである」ということです。売るという
行為は不可欠なものです。セールスのないマーケティングはありませんが、
ディスカウントやインセンティブがなくても、売れる仕組みを考えるのが
マーケティングでしょう。

古典的な定義の１つに、マーケティングとは４Ｐの企画の立案というものがあります。
現在でも有効で、マーケティングを４つのＰに分解するということです。それらは、
商品、プロダクトのＰ、価格、プライスのＰ、流通、プレイスのＰ、販売促進、
プロモーションのＰです。４つのＰの企画と実行がマーケティングであるというのが、
古典的な定義です。私にとって、４つのＰは等価ではなく何よりもProduct商品が
別格で、商品のないマーケティングはありえせん。価格のないマーケティング、
流通のないマーケティング、販促のないマーケティングはあり得えますが、商品の
ないマーケティングはありません。商品は四つのＰのなかで別格なのです。全ての
マーケティングは、商品から始まるのです。何故なら、商品にだけは、企業は自分
達の意思を反映することが出来るからです。スティーブン・ジョブズが作った商品
には自分の意思が強烈に反映されています。ただ価格、販売促進、流通は市場の
状況に相当支配されます。買わない価格をつけられない、無い流通に乗せられない、
販売促進を好き勝手にやっても成功するわけでもなく、マーケットの状況に相当
支配されてしまうのが、価格であり販売促進であり流通ですが、商品だけは自分達
の企業の意思を反映出来ます。

自分達の意思が相当反映出来る４Ｐのうちの唯一がプロダクト、商品なのです。
商品戦略が、財務や企業戦略につながり、Ｒ＆Ｄにもつながっているわけです。
ですからマーケティングという複雑系の学問の中で、４Ｐという概念を使うと
その中で、プロダクトがいってみれば、他の科目群との連結ピンになっています。
商品戦略があるから、成長戦略、組織戦略があるし、企業戦略も出てきます。
つまり商品が基本の「基」であり、企業はマーケットのニーズと自分達のシーズ・
テクノロジーを活かし、それを統合したユニークな商品を生み続けます。まず
商品にはマーケットニーズと自分達のテクノロジーが活かされ、そこには企業の
意思が反映出来ますが、残りの部分は相当状況支配的です。今回はユニークな良い
商品を作る事がマーケティングの基本中の基本という事をお伝えしたいと思いました。

ＢＢＩＱモーニングビジネススクールという番組も１つの商品と考えられます。
大学の先生達が交代で毎日７～８分ほど話すというのは、他になかなか類があり
ません。聞いて頂いた方々、このようなユニークな番組を支えてくれた方々に
本当に感謝します。

明日は、マーケティングとはコミュニケーションであり、それは一体何かをお話して、
締めとしたいと思います。
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         <category>出頭則行教授</category>
         <pubDate>Thu, 29 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>成熟期のマーケティング（マーケティング／出頭則行）</title>
         <description>今日は成熟期のマーケティングの実情をお話します。

最近世界の金持ち10位が発表され、カルロス・スリムというメキシコ人が２年連続
１位でした。10位以内には常連のビル・ゲイツやバフェットの他に、インドから２
人、
中国から２人、ブラジルから１人入っていて、必ずしも、アメリカが全部を占めて
いるわけではありません。金持ちは、全員ＧＤＰが大変大きな国か、１人あたり
ＧＤＰが大きい国にいるわけではないのです。メキシコは、アメリカへの不法入国
者が後をたたない、犯罪も多い、開発途上の新興国ですが、通信会社の人間が
世界一の金持ちであることからもわかるように、企業が栄えても国が栄える保証は
ありません。

日本では、企業が栄えれば国は大丈夫という論者もいますが、この事例を見ると、
にわかには信じがたいと思います。というのは、実際、外資企業の幾つかは、アジ
ア総本社機能を日本から上海やシンガポールに移しています。彼らは日本市場は
成熟というより、衰退化していく市場だと見切っている可能性もあります。ですから、
企業が元気であれば、それで国が栄えるという保証はないのではないかと思います。
けれども我々はこの国に住むことを避けられません。日本では少子高齢化が進み、
成熟化が進んでいくことを現実としてしっかりと受け止め、成熟期であっても衰退
期にさせず、実りのある熟成期を迎える手立てを考え、そのことから逃げてはいけ
ないのではないでしょうか。

この頃の若者は覇気が無く、海外に目を向けず、ＭＢＡへの留学も減っていると言
われています。しかし、アメリカのビジネススクールで教えているのは今もって成
功
戦略や勝つ経営です。日本市場が成熟、極端に言えば、現実には衰退期を迎えて
いるかもしれない中で、勝つ経営や成長戦略が虚ろに響いている可能性があります。
覇気が足りないこととは違った次元で、アメリカに行って、それらを学ぶことに虚
しさを感じているのでしょう。市場主義が行き詰っているわけですが、それに代わ
るものが見つかっていないのに、いまだに成長や経営がビジネス教育の重要な題目
になっています。いまもファイナンシャル系の企業が莫大な利益を手にして、高額
な報酬を得るというのは、あまり変わっていません。

ただ、現実には明るい光も見えてきています。日本ではお題目のように色々な企業
が社会的責任ＣＳＲを唱え、一種の免罪符としてきた面がありましたが、最近は地
に着いたＣＳＲ、地産地消などエリアマーケティングと一体化させて、昔はコスト
センターだったＣＳＲ部門をプロフィットセンターとして考える動きも芽生えてい
ます。
「地球と共存する経営」という本が最近日経から出版されました。三菱ケミカルと
いう大企業グループの総帥である小林さんが執筆され、現実の経営ではＭＢＡ的
視点（四半期毎に利益を追求する視点）は大事であり、また、将来の商品のタネを
見つけるためにＭＯＴ（マネジメント オブ テクノロジー）も肝要だけれども、地球
は
有限なのだからＭＯＳ（Management of Sustainabilityマネジメント オブ サステナ
ビリティ）的視点も同様に重要であり、それぞれ時間軸は違うということを言っています。
ＭＢＡ的視点であれば四半期、ＭＯＴ的視点なら年単位であるが、資源の有効活用
やサステナビリティとなると、もっと長いスパンで経営を考えていかねばならず、
この三つ（ＭＢＡ、ＭＯＴ、ＭＯＳ）を統合した経営姿勢が必要であると唱えています。
この本を読むと、アメリカの有名なコンサルティング会社から得られた示唆は限られ
ていて、新たな経営の形を自分たちで考えざるを得なかったことがわかります。なぜ
ならば、資源の問題でも成熟化の問題でも高齢社会でも、日本が先頭を切っているか
らです。アメリカから輸入翻訳されただけのビジネス教育は、もはや日本では役に立
たなくなりつつあります。日本固有のビジネス教育が待望されています。
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         <link>http://bbiq-mbs.jp/blog/post_1076.php</link>
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         <category>出頭則行教授</category>
         <pubDate>Wed, 28 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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      </item>
            <item>
         <title>大阪都構想（財務戦略／村藤功）</title>
         <description>
昨年の11月末に、大阪府知事と大阪市長のダブル選挙がありました。大阪維新の会の橋下氏が現職の平松市長に大勝し、新たに大阪市長となりました。大阪府と大阪市では、二重行政となっておりまして、無駄なことがたくさんあります。したがいましてこれを解体して、大阪を府ではなく都にしてしまおうという構想が、盛り上がってきております。

大阪市は、多くの問題を抱えています。たとえば、生活保護受給者の割合が全自治体の中で一番大きい、失業率や犯罪発生率が高い、自治体が行っている地下鉄やバスでのゴミ処理に従事する人数が他の指定都市に比べて際立って多い、市域全体の25%が市有地である、といった具合です。橋下新市長は、地下鉄とバスの民営化や、不要なゴミ処理場の廃棄、有効利用を目指しています。特に森之宮工場は、市の中心部のまずまずの場所にあるようです。また柴島（くにじま）浄水場も、大阪駅と新大阪駅の間にある広大な土地ですから、これを売り払えば一千億円くらいの余剰資金を捻出できるようです。実は、橋下氏が大阪市長になった背景には、彼が大阪府知事であった頃にこれらを行おうとしたところ、大阪市が対抗勢力として邪魔をしたということがありました。また今度は、大阪維新の会の松井氏が大阪府知事になりました。こうして橋下氏は、新知事と共に、大阪府と大阪市の両方を抑えたことになりますから、本当に大阪都ができるのではないのかという状況になってきたわけです。

実際に大阪都をつくるとなると、いろいろな法改正が必要です。現在のところ、民主党が大阪都構想の実現を可能にするような、地方自治法改正案を国会に提出しようという形になってきています。もしその改正案が通過すれば、その後は各地方自治体で議会の決議や住民投票を行うことになります。そして総務省が認可をすれば、大阪都に移行し、東京都のように特別区を設置することになるでしょう。

公明党は、大阪から四人の議員を衆議院に出していますので、大阪で維新の会と揉めることはしたがりません。自民党と民主党は、当初は維新の会と仲良くしようとしていましたが、橋下氏が中央進出を匂わすことを言い出したため、警戒をはじめました。また橋下氏は、国政選挙に向けた「船中八策」を発表しました。もともと船中八策は、幕末に坂本龍馬が起草した新国家体制の基本方針です。ここでは、大阪の話だけではなく国の話をしているため、騒ぎがさらに大きくなりました。大阪維新の会は、維新政治塾を立ち上げました。三千人が応募し、一次選考で二千人が合格しました。これから船中八策について議論した上で、六月頃に二次選考を行うと言います。その結果、大阪維新の会から何十人か中央政界に議員として出て行くかもしれず、自民党や民主党は警戒を強めつつあります。

道州制については、政権が自民党から民主党に代わったところで一回話がとまってしまいました。広域連合というものもありますが、これは地方自治法の中で既に定めがあるもので、道州制を導入せずに、今の県を守るという構想で、県が連合するという考え方です。九州では、九州広域行政機構が話されていますが、これは現存する県を前提にした考え方ですので、道州制とはまったく異なります。そういう意味では、これらは既に存在している県を守るために、道州制を導入させないようにしようという動きの中で出てきたものです。九州広域行政機構の場合では、国の出先機関をすべてまるごとそこに持ってきて、しかし県知事の管理下に置くということをしようとしています。今のところ、九州の知事会が話しているだけで、国が認めたものではありませんので、今後どうなるのかわかりません。本当は県を残すのではなく、九州すべてでひとつの行政を行うという方法が効率的です。県を残したままそのうえにまたひとつこしらえるとなると、屋上屋を架すことになって、効率的ではありません。九州はひとつになって、自民党時代にやろうとしていた道州制のようなものをきちんと導入すべきでしょう。
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         <link>http://bbiq-mbs.jp/blog/post_1082.php</link>
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         <category>村藤功教授</category>
         <pubDate>Tue, 27 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>国際企業分析（その２）　（経営リスクマネジメント／中村裕昭）</title>
         <description>前回に引き続き国際企業分析について、実際の分析手順など具体的にお話していきます。

前回は分析にあたってどういう資料を集めるか、どういう情報を集めるかという点を紹介しましたが、次のステップは集めた情報をどういう風に読み込むかという点です。

企業の総合力を分析する順序としては、分析者によってクセのようなものがあり、絶対にこうしなければならないという規則のようなものはありません。
しかし一般的には、まずマクロ（全体的な大きいところからの視点）からミクロ（小さな視点）へという分析が行われています。
外国企業の分析に限りませんが、第三者として外部から企業を分析する場合には、まず細部にこだわっていると、全体に目が行き届かなってしまうという事があるので、まずは企業の全体像を把握することから始めるという事です。

最も分かり易いステップとして、分析の最初は企業の歴史や事業ドメインから見ていきます。どこの国で誰が設立し、どのような経営の歴史をたどり、現在の企業の姿になったのか。
そしてその会社はどの地域で、どのような事業を営んでいるのかという点です。
これらをざっくりと見ることによって、財務諸表だけ分からない企業のDNAのようなものが見えてくるわけです。

企業の歴史や事業内容について、多くの企業は、ホームページで社史、会社の歴史、事業概要等を公開しています。
しかし、企業自身が公開している情報は、綺麗に化粧が施されているという可能性がありますから、客観的な情報で裏づけを取るということが必要になってきます。
それには、過去の新聞とか雑誌などを丹念に見ていくこともひとつの手ですが、これには時間が掛かり過ぎます。
そこで企業分析の専門家は、ディスクロージャー資料等に加えて、企業調査会社が提供する、有料のデータベースなどを併用しながら、多角的調査を進めていくことになります。

外国の企業と国内の企業の経営分析というのは、分析の手法としてはほとんど変わりませんが、日本企業が外国企業を分析する際に注意すべき点がいくつかあります。
まず、経営者など事業執行者の経営哲学とか、経営手法について理解することが必要です。これらは、国ごとによって色々違います。

例えば、「中国の国営企業」「韓国の財閥企業」「カリスマ経営者によって経営されて、急速に拡大したアメリカのIT企業」「従業員が参加する監査役会や、銀行が影響力をもっているドイツ企業」など、それぞれに経営の仕組みが異なるので、日本企業を分析する際の常識を持ち込めないということがあります。

更に、業種によって各国で法令や規則が異なりますので、日本企業と同業であってもビジネスモデルは異なるというような点もあります。
例えば、大型の小売企業というものを分析する場合でも、国によって経済社会の発展段階とか国民性、流通の仕組み、店舗規制などが異なる為に、各国の事情をよく理解しなければ企業を理解できないということになります。

一方、開示資料にこれらのことが全て記載されているわけではないので注意が必要です。コーポレートガバナンスに関しての組織などの記載は、概ね掲載されていますが、各国における詳細の経営手法、経営のクセというようなものは記載されていませんし、事業上遵守するべき法令や規則等については、ディスクロージャー資料に書かれている場合もありますけれども、必ずしも十分ではありません。
したがって調査をする場合は、外国企業の所在国の経営について書かれた書物、あるいは研究者の論文などを丹念に調べる必要があります。

そのほか、外国企業を分析する際の留意事項は、細かく言えばきりがありませんが、ひとつに会計制度の違いというものがあります。
各国の財務諸表に差があるということです。在庫の評価方法や研究開発費の計上の仕方、あるいはリース料の計上方法などは、国によって異なります。
また、開示資料の内容にも差があります。
企業が社債を発行する場合や、銀行借り入れを行う場合に課せられる財務制限条項というものがありますが、資産の売却の制限や、追加負債の制限などについて十分に開示されていない国もあります。
その為に対象企業において経営の自由度が失われていることが第三者には分からないという恐れがあるわけです。

各国の経営、会計、金融の違いを翻訳できたり、隠れたリスクといったものを表示できたりするようなシステムがあればいいのですが、実際には存在しません。
財務面では、主要国のそれぞれ異なる会計基準を比較可能なものしようとする国際的な検討は既に行われていて、「国際財務報告基準」というものが誕生しています。
ＥＵ諸国、カナダ、中国、ブラジルなどの国は既に適用しています。日本でも一部の企業では任意適用を開始していますし、強制適用も視野に入ってきています。
大きな国としては例えばアメリカなど、他の主要国でも採算用の方向が示されています。しかし、経営の手法とか各国の法令とか商習慣、あるいはビジネスモデルというようなところまで、全世界的に統一されるということはありませんので、
外国企業を分析する難しさというのは、依然残らざるを得ないという事になります。

これまで、2回に亘って国際企業分析の話をしてきましたけれども、最後に、国際企業分析の面白さについてお話します。

なんといっても、ひとつひとつの分析のプロセスに謎解きの面白さがあるということです。一定部分まで解明出来ると目の前が急に明るくなると爽快さを感じます。
例えば、「フェイスブックという会社はどのように収益を確保しているのか」というような謎ですとか、「フィンランドのノキアが製紙会社からどのように世界的な携帯電話事業者になったのか」、あるいは「韓国のグループ企業と、日本のグループ企業はどう違うのか」、「バドワイザーで有名なアメリカのナンバーワンのビールメーカーを買収して、今ベルギーの企業がビールメーカーとしては世界のトップ企業になっているのですが、どうしてそういう事になったのか」など、国際企業分析には、気になる「謎」が満載です。
すぐ解ける謎もありますし、中々解けないものもありますが、謎解きはスリリングで楽しいですね。
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         <link>http://bbiq-mbs.jp/blog/post_1077.php</link>
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         <category>中村裕昭教授</category>
         <pubDate>Mon, 26 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>国際企業分析（その１）　（経営リスクマネジメント／中村裕昭）</title>
         <description><![CDATA[これまで主に経営リスクマネジメントの話をしてきましたが、今回は九州大学ビジネススクール（QBS）で開講している国際企業分析についてお話していきます。


<B><font color="Blue">■国際企業分析とは　</B></font>
「国際企業分析」というと国際的な企業を対象に会社の数字を分析するような印象がありますが、具体的にはどんなものなのでしょう。
学問領域としては経営分析というカテゴリーに入りますが、多くの研究者や実務家が様々なタイプの研究を進めています。
QBSにおける国際企業分析では、「グローバルに活動している企業で日本やアジアにも関係が深い外国の企業」というものを対象としています。

分析の中身は会社の数字、すなわち財務諸表などの分析は当然行いますが、それだけではなく、定性的な要因も分析対象としています。
例えばブランド力あるいは技術力といった経営資源のクオリティ、経営戦略の妥当性、コーポレートガバナンスの質なども分析の対象としています。
つまり国際企業分析では、企業の総合力を分析するということを行っています。


<B><font color="Blue">■国際企業分析を学ぶ意義　</B></font>

現代のようにグローバル化したビジネス界では、否応なしに外国企業との接点が増えてきます。
例えば、取引先が外国企業であったり、外国企業と提携を行ったり、株主に外国企業が入ってきたり、外国企業が買収の矛先なると言う場合も有ります。
それだけでなく外国企業が競争相手であることも有りますし、海外進出を行う日本企業は、現地において外国企業に取り囲まれるということにもなります。
したがって、自社の経営に密接に関係する外国企業をしっかりと分析しておく事は、自分の身を守るためにも、また積極的に打って出るためにも必ず必要になります。

つまり、ビジネスの現場で戦うには、まず相手のことを良く知る必要があるわけです。
だからこそ財務分析だけではなく相手の総合力を分析する必要がある訳です。

例えば、相手の企業が財務上とても強い企業であっても、安心して取引ができる企業かどうかは別問題ということがあります。
また、利益至上主義の企業、あるいは自己中心的な企業は、敵に回しても味方にしても非常に危険な存在になる可能性がありますから、企業分析のノウハウを習得して外国企業の総合的な分析を行う事によって、大きなリスクを回避することが可能になるわけです。


<B><font color="Blue">■様々な制約　</B></font>
しかし、日本企業は世界中の企業と取引しており、アジア、ヨーロッパ、北米など、全世界のすべての企業について、その経営の総合力を100％きっちり分析することには限界もあります。それは様々な制約がありうるからです。
１つめは、我々は基本的に対象企業の外から第三者として分析する事が前提となっているので、内部者しかわからない数字や情報は取れないという制約です。
２つめは、公開されている情報が信用出来ないものであったり、公開情報の量が極端に少なかったりする場合は分析の質が低下してしまうことがあります。
３つめは、言語の壁です。開示資料や重要情報が、国際ビジネスにおける共通言語である「英語」で公開されていない企業の場合は分析対象にもなりえない場合もあります。

日本企業においても、英語での企業情報公開が十分でないと自分達の事を海外に知ってもらうことが難しくなるといわれるのは、こうした背景もあるのです。


<B><font color="Blue">■具体的分析プロセス　</B></font>
次に、国際企業の総合力を分析するには具体的にどのようなステップを踏めばよいのかを説明していきます。

まず、最初に行うべき事は情報の収集です。
対象企業の「ディスクロージャー資料」、つまり、一定の規則に基づいて作成、公開されている公的な開示資料を集めます。
これらは、各国の証券取引委員会や証券取引所などに相当する機関に対して各企業が提出する経営情報で、主要なものとしては年次報告書、四半期報告書、臨時報告書というものが挙げられます。
開示資料というのは一般的に、提出先機関のインターネットサイト等からダウンロード出来ます。
しかし公的な開示資料の収集だけでは十分ではありません。
その他、対象企業の業界情報や新聞雑誌の情報、当該企業のホームページに掲載されている様々なサービスの内容、商品の内容、事業情報、それからCSRレポートというようなものも収集する必要があります。
最近では多くの企業において、株主説明用のプレゼンテーション資料や、あるいは株主説明会の動画配信などもホームページで公開されているので、これらも丹念に見るとよいでしょう。

１つの企業に関する資料だけでもこれだけあると、資料収集には、慣れとテクニックが必要です。
QBSではコンピューター室を利用して受講生が全員ネットにアクセスしながら、こうした資料収集のテクニックについても学んでいます。
更に九州大学の図書館ではＷＥＢベースの企業データベースなども導入しているので、一般には手に入らない情報も手に入れるということが出来ます。

こういった情報収集は基本的には全て英語で行います。
もちろん現地の言葉ができれば、中国の企業を中国語で調べたり、ドイツの企業をドイツ語で調べたり出来ますが、今のところ、ビジネスで利用されている共通言語というものは英語が主流です。
例えば、開示資料などでは、財務諸表も英語、技術情報も英語、経営戦略も英語で表現されているわけで、ビジネス英語の力を持つ必要があります。
そのため、九州大学ビジネススクールでは、国際企業分析の授業はすべて英語で行っています。

次回はさらに踏み込んで、集めた情報をどう読み込んでどう分析をするのかということについて、イントロの部分を紹介していきます。
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         <link>http://bbiq-mbs.jp/blog/post_1075.php</link>
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         <category>中村裕昭教授</category>
         <pubDate>Fri, 23 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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      </item>
            <item>
         <title>映画で学ぶ経営(最終回）Knowledge Workerとソーシャルネットワークがこれからの若者労働者（経営学／久原正治）</title>
         <description>今日のタイトルは、「Knowledge Workerとソーシャルネットワークがこれからの若者
労働者」ですが、これは知識を持ち、頭を使って働く人がこれからの労働者の主流
になるという意味です。すでに10年くらい言われていることですが、これからの世界
を担っていく人たちで、多くの若者がそういう労働者になっていますが、映画を事例
にこのお話をしようと思います。

上映中の「ドラゴンタトゥーの女」はアカデミー賞の編集賞をもらった、ちょっと
変わった設定のストーリーです。スウェーデンの話ですが、中年のジャーナリストと
天才のハッカーが組んで色々な問題を解決していく一種の推理小説です。このドラゴン
タトゥーの女がまさにKnowledge Workerです。

監督はデヴィド・フィンチャーでまだ４０代ですが、FaceBookの企業を映画化した、
「ソーシャルネットワーク」で昨年非常に話題になりました。元はマドンナなど
音楽ビデオの監督をしていましたが、今や、名作を数々生み出しています。この人
自身がまさにKnowledge Worker、天才的な監督で、現代の若者が直面する様々な
暗闇の世界から何らかの希望が出てくるという話を、非常にスピード感がある映像で
音楽を上手く取り入れて表現しています。「ソーシャルネットワーク」も「ドラゴン
タトゥーの女」も、映像に引き込まれてあっという間に終わる感じです。

Knowledge Workerである若い人は独特の才能をもっていますが、なかなか組織の中
には入れません。それをシニアの人が上手く助けて、ネットワークを創ることにより、
異質のものが取り込まれ、異質のものの中からコミュニティを再生する、社会関係
資本、いわば東日本大震災の時に言われた絆みたいなものが異質の交わりから出て
くるのです。

異質な物とつながることを受け入れるのは難しいのですが、そこには３つの特徴が
あります。１つは見返りを期待しない絆をつくること、2番目にそこには他者への
信頼があること、3番目にそのネットワークの中での全体を縛る規範みたいなものが
あることです。

「ドラゴンタトゥーの女」に出てくる中年ジャーナリストのような人は、そのネット
ワークに橋を架けるブリッジになり、若く優秀な人をこのネットワークの中に
つないでいきます。フェイスブックも、ザッカーバーグというハーバードの天才
学生がはじめたわけですが、そこにワシントンポストのドナルド・グラハム社主や、
ネットスケープを創業したマーク・アンドリーセンというシニアの人々が入って、
周りと上手く繋いでいきます。この繋いでいくところに信頼や絆があることが、
ソーシャルネットワークの非常に重要なことなのです。

フェイスブックの創設者マック・ザッカーバーグは、自分一人では出来なかった
ことだと度々言っていますが、私たち身の回りでも、外から入ってきた人たちに
対して、拒絶したら何の関係も生まれませんが、その人が何かの知識を持っていて、
受け入れることにより新しいものを生み出すことはあり得るでしょう。特に我々
シニアな世代は若い人をもっと見つめてあげて、最近の若いやつはなどと言わず、
その能力を引き出すネットワークを上手く作ることが大事になります。

Knowledge Workerをシンボリック・アナリストとして定義したのは、元クリントン
政権労働長官のロバート・ライシュです。彼は労働経済学者としてもアメリカで
有名です。彼の言うシンボリック・アナリストという言葉には４つポイントがあり、
まず物事の背後にあるものを見抜く力、次に広い視野で判断する論理的な思考力、
そして新しいものへ挑戦すること、最後は価値観が違う人を束ねることです。
この異なるものを束ねるのが大事なのです。

この番組の中で何度も、首から上の頭脳を使って働く仕組みを増やしていかないと、
地方である福岡は物作りで終わってしまうと言ってきましたが、そういう仕組みは
相当大きな変革なので簡単にはいきません。ただ若い人は、実に良いことをやろう
としていますが、我々や政府が地方の再生は雇用にかかるということで、製造業や
サービス業を誘致して、単なるパート労働者を増やしたりしています。ところが、
このような労働では中国やベトナムとの価格競争に勝てなくて、それが地方をだん
だん疲弊させていると言えます。発想を変えなくてはならず、その中心になるのが
若い人なのです。

そこで若い人たちを育てる環境が必要になってくるので、教育投資が地域にとって
重要です。従来、地域では高校生くらいまで一生懸命教育投資をしても、優秀な学生
は東京の大学に行ってしまい、投資したものが地域に返らなかったので、これを地域
に還元する教育投資をやることが大事です。教育環境を整えるためには、学びたく
なったとき学べる教育機関を国が多く作っていかなければなりません。

現在、九州大学など地方大学の新入生を見ていると、そこに入学することがゴールに
なり、それからなにをしたらいいのかがわかっていません。そうではなくて、働いて
いる人が勉強したくなったときに大学や大学院に戻ることができるように、国が投資
すべきです。社会人が学べる、九州大学ビジネススクールもそうですが、特に欧米で
は、高校を出たら社会人となって働く人も多く、その後に進学したい人は大学を
選択することができます。社会を見ないと何を勉強していいか分からないので、
こういうところを国がサポートすることも重要になってくるでしょう。

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         <category>久原正治教授</category>
         <pubDate>Thu, 22 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>地域の自立発展(最終回)（経営学／久原正治）</title>
         <description>今日は久留米の商店街に育つ若者ネットワークというお話です。

久留米は商店街が福岡県でもおそらく最も寂れているところの一つですが、そこを
中心に地域をどう再生するかを３年間番組でもずっと考えてきたので、今日はその
総括です。久留米の六つ門商店街で実際の地域再生活動に参加していますが、
そこで若者のネットワークは非常に貴重な資源として育って、それが将来の希望を
生んでいる例を紹介します。

久留米の市民大学六つ門大学は、昔から久留米の中心だった六つ門商店街をどう
再生するかというのがその出発点でしたが、やっているうちに学生がシニア中心
になり、シニアの時間つぶしのようになったので、もっと若者を商店街にいれて
再活性化するために、商店街の空きビルを活用したルームシェアプロジェクトが
生まれました。

東京大学建築科の学生達が３年くらい前に久留米の商店街を再生するために来ま
した。彼らは久留米は非常に面白い町で、食事もおいしく自然もあって、東京より
もはるかにいい所だと考えました。彼らはその後東京で就職しプラサスという
ＮＰＯの団体をつくり、本業の合間に久留米を訪れて商店街の空きビルを借り、
地元の学生がシェアハウスを作るのを手伝いました。

それでシェアハウスが１年前に六つ門商店街に１つ誕生し、この３月に１周年で
彼らが久留米にやって来ました。そこで地元商店街の会長は、彼らもてなすために
伝統的なお茶会を開いたところ、彼らはこんなにゆっくりした時間を過ごせるのは
地域の素晴らしいところで、東京では出来ないと言っていました。

東京には地域から出てきた若者が色々な分野で専門家として活躍していますが、
知識やノウハウを活かせるのは地域ではないかと、東京に住んでいても、地域で
活動したいという団体がプラサス以外にも出てきているそうです。

今の若者は、東京で就職して最後に退職金をもらって東京に家を持つということ
ではなく、若い頃に東京へ行かないと専門的な知識やネットワークは得られない
けれども、自分が育った地域に本来自分がやるべきことがあるのではないかと
考える人がすごく増えているようです。商店街にできたシェアハウスは、そういう
東京の若者と地域の若者を結ぶネットワークのブリッジみたいなものになっています。

翌日「久留米の若者に雇用を」のテーマで討論会をやりました。大学生も来たの
ですが、高校生が実に立派な質問や発言をしていました。久留米には付設高校など
の名門高校がありますが、地元出身の子はその高校に行ったら東大に行き、就職
して東京に残ることになるのだろうけど、自分は地元が好きだからどうすればいいか
と、高校１年生が発言しました。久留米大学の学生が大勢来ていたのですが、東京で
知識を得た人と地元の大学生が組むことで面白いことが出来、しかもそれをやること
により若者が成長するという意見も出て、高校生達ががこの討論会に参加して良かった
という感じでした。

高校生から地域で人を育て、いったん地域を出ていろんなことを学んで、４０歳
ぐらいになってまた地域に戻ってくる、あるいは先ほど紹介したプラサスのように、
地域と東京を行き来して地域の人と一緒に一緒にネットワークを作ることが大事に
なります。

そのためには、地元が異質のものを受け入れる、久留米から出て世界をまわって
多くの知識を得た人と、一緒に勉強しようということがまず必要です。一方東京は
かなり住みにくいしリスクも大きいので、地方での若者は将来地域に戻って住む
ことになるでしょう。両方が相まって、若い人によって地域が再生されていくと
思います。ところが、これは我々団塊の世代の悪い特徴ですが、久留米にいる
シニアの人たちは自分のことしか考えていません。彼らが若い人を育てようと
いう気持ちになって自分が持っている知識やお金を若い人に投資することが
地域再生の重要なポイントです。

我々はシニア世代は、若者の教育を大事にして色々な経験で彼らを手助けする
という観点で、異質の人の間にブリッジをかけることを助け、人材のネットワーク
をつくっていくことが重要でしょう。


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         <category>久原正治教授</category>
         <pubDate>Wed, 21 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>オプション取引（その２）　（ファイナンシャルマネジメント／平松拓）</title>
         <description>今回は、オプション取引についての説明の続きと、オプション取引利用の際の注意事項です。

前回、オプション取引とは外貨や原油などの資産の売買について、それを行う権利を買ったり、売ったりする取引であることを説明しました。その際、オプション取引には原資産を買う権利であるコール・オプションの取引と、売る権利であるプット・オプションの取引があることを述べました。例えば、１ドル83円で3ヶ月後に「ドル」を購入する権利はコール・オプションであり、逆に売却する権利がプット・オプションです。

オプション取引がやっかいなのは、当たり前のことではあるのですが、「コール・オプション」、「プット・オプション」ともに、その取引に当たって権利の「買い手」と「売り手」が存在することです。即ち１ドル83円でドルを買う権利である「コール・オプション」の取引は、この権利の「買い手」と「売り手」が揃って初めて成立し、同様に１ドル83円で売る権利である「プット・オプション」の取引にも、同様に権利の「買い手」と「売り手」が存在する訳です。そして、オプションの買い手にはオプション料の支払いが、そしてオプションの売り手にはオプション料の受け取りが発生します。

例ではオプション取引の対象となる資産の取引のタイミングを3ヶ月後、取引価格を83円としてきましたが、これ等はオプション取引で売買する権利を行使するタイミングであり、また、行使する価格でもあった訳です。しかし、オプション取引ではこのような権利行使のタイミングばかりでなく、行使価格も比較的フレキシブルに決めることができます。
その点、為替の先渡し契約などでは、契約締結時の市場価格などによって自ずと先渡しの相場が決まってしまうのと異なります。但し、フレキシブルに設定できる行使価格ですが、その行使価格をオプションの購入者にとって有利に設定すればするほど、支払わなければならないオプション料は増えることになります。

例えば、3ヶ月後に１ドル83円でドルを買う権利（つまり行使価格83円のコール・オプション）を購入するために支払うオプション料よりも、行使価格を75円のコール・オプションを購入するためのオプション料の方が相当程度高くなります。従って、オプションを用いた取引の採算を考える場合には、このオプション料も勘案してやることが必要です。

これまで説明してきたオプション取引ですが、金融機関や大手商社、或いは輸出入企業などに属する所謂プロフェッショナルにより活発に利用されています。そういうとあまり身近に感じられないかもしれませんが、実は最近では個人や中小企業向けの金融商品にも広く組み込まれています。例えば、株価連動型預金というのがあります。これは日経平均などの株価指数が上昇したり下落したりすると利息が増える仕組みの商品ですが、普通の預金に株価指数取引のコール・オプションやプット・オプションの購入が組み込まれているものです。
また、借入でも金利キャップ付ローンというのがあります。これは変動金利の借入がベースとなっていて、通常ですと市場金利が上昇すると借入金利がそれに応じて上昇するのですが、この商品の場合は市場金利が一定以上上昇しても借入金利には上限が設定されていて、それ以上の支払いを免れるものです。これには金利オプションの購入が組み込まれています。これ等はいずれも個人向けにも販売されている商品ですが、購入者がオプション料を支払ってオプションを購入している商品です。

逆にオプションの売却が織り込まれている商品もあります。受け取るオプション料を利用して預金の金利を高く見せたり、逆に借入金利を低く見せたりしているものです。この場合注意しなければならないのは、大きなリスクを負う形となっていて、為替市場や金利市場などの動きによっては相手にオプションを行使され大きな損害を被る場合があり得ることです。3ヶ月後に1ドル83円でドルを買う権利（即ちコールオプション）を思い出して下さい。もし、3ヶ月後に1ドル100円になっていたら、オプション購入者は大儲けですが、オプションの売り手はこの取引をヘッジしていなければ、市場から1ドル100円でドルを購入して83円で売り渡す義務がある訳です。
現在の低金利の中で、預金利息を失う位なら諦めはつくかもしれませんが、預金元本が為替リスクで大きく目減りしたり、借入金利の支払いが大幅に増加するリスクもあり得ます。オプションの組み込まれた商品、特にオプションの売りが組み込まれた商品には慎重に対応すべきでしょう。

以上、オプション取引についての基本的な話をしてきましたが、最後にもう一つ付け加えておきます。オプション取引には、締結後、一定期間の間であればいつでも権利行使ができるアメリカンと呼ばれるタイプと、特定の一時点に限り権利行使が出来るヨーロピアンと言われるタイプの2種類があります。この2つのタイプの間にはその効果やオプション料に大きな違いがあります。そのことも覚えておいてください。
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         <category>平松拓教授</category>
         <pubDate>Tue, 20 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>オプション取引（その１）　（ファイナンシャルマネジメント／平松拓）</title>
         <description>今回はオプション取引について説明します。

皆さんは「オプション」といった場合に、何を思い浮かべるでしょうか？人によってはオプショナルツァー、つまりパッケージ旅行に申し込んだ場合、自由時間の為に有料で提供される市内観光やマリンスポーツなどの追加的な商品を思い浮かべるかもしれません。また、ある人は新車を購入する際に、カーナビやオーディオなどの装備を選択して購入できることを考えるかもしれません。

これらのオプションの場合、購入する時点でその商品の価値に応じた対価や差額を支払う必要があるので、「選択の余地を顧客に与えている」ということを意味しています。また、「オプション」という語はこれ等の例以外にも、単に「選択肢」という意味で比較的広く用いられているかと思います。

ところが、財務や金融の世界で「オプション」とか「オプション取引」というとやや違った意味を持っています。財務・金融の世界における「オプション」とは、財務上、或いは金融上の価値を持つ資産（財産と考えても良い）について、「予め決められた将来の一定の日又は期間において、一定の価格で売買する権利」であり、「オプション取引」とはその「権利」を売買する取引のことを意味します。

例を挙げると、例えばアメリカの通貨である「ドル」は財務的、金融的に価値を持つ資産ですが、これは現在の為替市場で大体1ドル83円前後の価格で取引されています。この「ドル」を１年後に、その時点で実際に為替市場で取引されている価格（つまり実勢相場）に拘わらず１ドル83円で「買う権利」とか、「売る権利」が「オプション」です。
そして、それらの「権利」を売ったり、買ったりするのが「オプション取引」ということになります。別の例を挙げれば、１バレル105ドルで原油を購入する権利とか、或いは変わり所では他社に先駆けて新鋭の航空機（例えばボーイング787）の納入を受ける権利なども「オプション」ということになります。

それでは、財務や金融の世界でこれらの「オプション」を取引することにはどういう意味があるでしょうか？財務や金融の世界では、保有している資産やマイナスの資産ともいえる負債によっては、市場におけるその価格が大幅に変動し、そのために大きなリスクを抱えるケースが少なくありません。そうした場合に、「オプション」の取引を利用することによって、効果的にリスクのヘッジができます。

例えば大きな輸入の案件のため、3カ月後に多額の「ドル」の支払いが決まっている輸入業者の場合、現在1ドル約83円の「ドル」がその時点で１ドル100円になっていると、想定外に巨額の円を支払わねばならなくなり、採算割れとなるかもしれません。そのような場合、3ヶ月後に１ドル83円で「ドルを購入する権利」を銀行から購入しておけば、譬え3ヶ月後に１ドルが110円になったとしても1ドル83円で計算した円貨額の支払いで済みます。
この例のように、一定の価格で原資産（この場合はドル）を「購入する権利」を取引するのが「コール・オプション」の取引、逆に「売却する権利」を取引するのが「プット・オプション」の取引と呼ばれます。

以前、為替リスクの関連で「先物予約」とか「先渡し契約」を用いてヘッジする話をしたことがありますが、これら「先物予約」等でも上記の例の取引に伴うリスクのヘッジは可能です。しかし、「先物予約」等を用いてヘッジした場合には、3ヶ月後に逆に１ドル70円に「ドル」が値下がりしていたとしても、１ドル83円で「ドル」を購入する義務があり、せっかくの円高によるメリットを諦めねばなりません。
それに比べて「オプション」を用いてヘッジをして1ドル70円となった時には、１ドル83円で購入する「権利」を購入しているのであって、その「権利」を行使する必要はなく、市場から１ドル70円で安い「ドル」を購入することができます。つまり、市場が有利に動いた場合のメリットも確保できるのが、「オプション」を利用したヘッジの利点です。

このような利点を持つ「オプション」の取引によるヘッジですが、その中では「権利」を「購入する」訳ですから、予め購入のための対価の支払いが必要で、それはオプション料と呼ばれます。例えば、「3ヶ月後に1ドルを83円で買う権利」という「オプション」を購入するために、例えば、1ドルにつき1円のオプション料を支払わねばならないということになります。このオプション料は「権利」を行使しなかったとしても、返済されることはありません。
即ち、オプション料はオプションの取引を契約する時点で決定され、実際に資産が取引される、例えば3ヶ月後の資産の価格の影響は受けません。そしてオプション料を支払う相手は、例えば上記の「１ドル83円でドルを買う権利」を買う場合には、その権利を売ってくれる相手、即ち、逆に「１ドル83円で売るという義務」を引き受けてくれる銀行ということになります。</description>
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         <category>平松拓教授</category>
         <pubDate>Mon, 19 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>北朝鮮問題（財務戦略／村藤功）</title>
         <description>北朝鮮の体制がキム・ジョンウンに代わり、ちょっと落ち着いて来ました。アメリカと北朝鮮もそれなりに合意したようです。北朝鮮はウラン濃縮や核実験をやめ、弾道ミサイルの発射を中断するというようなことを言っておりますし、アメリカは食料援助をしようという動きになっています。今後どの程度進むかわかりませんが、日本が抱える拉致の問題などについても、話し合う余地はでてきました。

金正恩は、その名前が当初は漢字のみで書かれていましたが、その後読み方がわかって最近ではふりがなもふられるようになりました。写真やテレビを見ますと、小太りで、髪の毛を少し刈り上げていて、人民服を着ています。海外では、キム・ジョンイルの長男であるキム・ジョンナムが文句を言っているようです。キム・イルソンからキム・ジョンイルへの権力の承継は、20年くらいかけてゆっくりと行われました。しかし今回の権力移行は、後継者が発表されたのが2010年くらいの話ですから、1年と少ししか経っておりません。キム・ジョンイルが突然亡くなってしまったため、実際はキム・ジョンウンより強い権力をもった人物がいるのではないか、どこかでクーデターが起こるのではないかと言われ、韓国では厳戒態勢に入りました。

北朝鮮では、朝鮮労働党による一党独裁制が敷かれています。政治局常務委員会に権力が集中しており、また中央委員会には約120人が在籍しています。日本の国会にあたる立法機関は、最高人民会議です。内閣もないわけではありませんが、一番力をもっているのは人民軍です。軍が核爆弾を数発もっているとも言われ、大騒ぎとなっています。したがってトップは、人民軍の最高司令官にまず就任する必要があります。キム・ジョンウンは既に人民軍の最高司令官になりましたので、次は朝鮮労働党の総書記にならなければなりません。

北朝鮮は貧しく、飢え死にしている人が結構出ています。先進国も人道上何とか彼らを助けたいのですが、今行動をおこしてもメリットが少ないため、政権が安定するのかどうか眺めているところです。

中国やロシアとの関係は、前体制の頃からあまり変わりありません。中国としては、できれば北朝鮮にも中国のような改革開放をやってほしいと話しているようです。北朝鮮が崩壊すると、アジア全体が不安定化してくるためです。朝鮮半島の南北の境界線、すなわちアメリカを中心とする国連軍と中国が決めた38度線のことですが、これが北上すると、北朝鮮からの難民が山のように中国に入ってくることになりますので、中国としては困ります。また、朝鮮半島全体が韓国によって統一されれば、朝鮮半島がアメリカの支配下に入り、喉元に剣を突きつけられた形になるので、中国としては絶対に避けたいところです。したがって、北朝鮮を安定させることが第一ですから、とりあえずキム・ジョンウンをサポートしているのが現状です。

アメリカが嫌だという点では、中国とロシアは同じですが、ロシアの場合、北朝鮮や韓国と一緒に、朝鮮半島のガスパイプラインの建設を検討してきました。ロシアの天然ガスや石油を朝鮮半島に持ってきて利益を得ようとしておりますので、これがご破算になってしまうと困る、というのがロシアの立場です。

韓国のイ・ミョンバク政権は、北朝鮮の新体制に対して強く牽制しておりますが、イ・ミョンバク大統領の任期はあと一年ほどしかありません。今年の四月には総選挙があります。ですから韓国としては、北朝鮮がおかしくなって戦争となるのは嫌ですし、朝鮮半島を統一したいというのが本当のところです。韓国には統一局という政府部門もありますし、やはり両国を統一するのが韓国民の悲願となっています。今回キム・ジョンイルが亡くなったことで、韓国の株式市場ではコスピという株価指数がどんどん下がり、韓国ウォンも対ドルで急落しました。北朝鮮の不安定化は、韓国経済にとっては大変なマイナスなのです。</description>
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         <category>村藤功教授</category>
         <pubDate>Fri, 16 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>大連レポート（大連理工大管理学院/張暁紅）</title>
         <description>ブログはありません。</description>
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         <category>張暁紅講師</category>
         <pubDate>Thu, 15 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>「政策のための科学」拠点形成に向けて (科学技術イノベーション戦略／永田晃也)</title>
         <description>　科学技術イノベーション政策に関するトピックを取り上げはじめて今日で10回目になりますが、今回はひとまずの締めくくりとして、これから九州大学で取り組まれる事業の構想についてご紹介しておきたいと思います。

＜九州大学の構想が、文部科学省の拠点形成事業に採択されたという記者発表が1月にありました。その内容について詳しく聞かせて頂けますか。＞

　それは文部科学省の公募事業で、正式名称を「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』基盤的研究・人材育成拠点整備事業」というものです。
　科学技術イノベーションに関する近年の政策論議の中で、「政策のための科学」という視点が重視されるようになってきたことについては、この放送で前に話しました。文部科学省の公募事業は、客観的根拠（エビデンス）に基づいて政策を立案できる政策担当者や、この新しい研究領域の担い手となる研究者、あるいは従来の様々な専門領域と「政策のための科学」をつなぐ役割を担う人材の育成を目的とするものです。
　公募の結果、拠点間連携をまとめる総合拠点として政策研究大学院大学、強みを活かした領域開拓拠点として九州大学の他、東京大学、一橋大学、大阪大学と京都大学が選ばれました。

＜九州大学の構想には、どのような特徴があるのでしょうか。＞

　九州大学の強みは、やはり総合大学として多様な教育研究資源を蓄積しており、それらを「科学技術イノベーション政策のための科学」という領域横断的な新しい拠点形成に活用していくための学内システムもあるということです。
　また、アジア諸国の大学や研究機関との連携を深めてきたことや、西日本地域の基幹大学として機能してきたという地理的なポジションも、九州大学の特徴です。今回の構想には、このようなポジションを活かした地域フォーカスも設定されています。
　さらに、今回の構想では、標準的なコアカリキュラムと、領域開拓拠点としての固有のカリキュラムからなる重層的な人材育成プログラムの開発を提唱したことが重要なポイントでした。

＜こういう新しい分野で標準的なコアカリキュラムを開発するというのは、難しい課題になりそうですね。＞

　その通りです。「科学技術イノベーション政策のための科学」は、まだ学問分野としての体系すなわちディシプリンが確立していないフロンティアですから、まずコアを形成することが重要な課題になりますが、それは容易な課題ではないでしょう。そこで、私たちの構想は、この課題を遂行するために拠点間連携に基づくコンソーシアムを構成することを提案しています。
　「科学技術イノベーション政策のための科学」という新しい分野の担い手となる研究者は、全国の大学・研究機関に分散しています。そのため、いかなる大学でも、１機関のみでは全国標準となるコアカリキュラムを構築できないと思われます。もし個々の大学が、別々にコアの構築に取り組めば、複数のユニークなカリキュラムができるでしょうが、結局「科学技術イノベーション政策の科学」のディシプリンが何であるのかが社会的に認知されないまま廃れてしまうことにもなりかねません。そうならないようにするためには、必要な知識を持った研究者をコンソーシアムに結集させ、どのような科目をコアカリキュラムに含めるべきか、個々の科目では最低限どのような知識や能力の習得を目的とするべきといった事項に関わるコース開発を、共同で行う必要があると思います。

＜コアカリキュラムには、どのような科目が含まれることになると思われますか。＞

　まず科学技術イノベーション政策の「概論」と呼べる科目は、私は必要だと思っています。そこでは、政策の目的や対象範囲、科学技術イノベーションのプロセスに対する政策介入の理論的根拠、政策史の概観、政策に関連する制度の概要、政策手段の多様性などに関する基礎知識を習得できるようにするべきでしょう。
　また、政策の立案、決定、実行、評価を支援する政策分析の手法を習得するための科目も必須です。そこでは、定量的な分析手法だけではなく、科学技術イノベーションに関する統計や、論文・特許データベースの使用方法についても習得できるようにしたら良いと思います。
　さらに、前回お話したように科学技術イノベーションを社会との関連において捉え、両者のインターフェースを構築するための視点を提供するための科目も必要でしょう。そこでは、科学者のコミュニティの特徴、科学に対する公衆理解、コンセンサス会議、サイエンス・コミュニケーションなどのトピックが扱われることになると思います。

＜政策担当者を育成するという目的からみると、知識だけではなく実践的な能力を習得するための工夫も必要になりそうですね。＞

　そうです。そのためには、演習形式で、政策課題を設定・分析し、政策提言をとりまとめるまでの一連のプロセスを経験する科目も必要になると思います。
　いずれの科目も領域横断的な知識を習得するためのものですから、必要に応じて複数の専門分野の教員が担当するオムニバス形式をとることになると思います。また、政策立案演習の指導者には、実際の政策担当者などを学外から招聘できると良いでしょう。

＜九州大学の拠点が提供する固有カリキュラムには、どのような科目が含まれますか。＞

　これには、例えば東アジア諸国の科学技術イノベーション政策をレビューし、政策の国際的なハーモナイゼーションのあり方について講じる科目、西日本地域のイノベーション・システムを対象として産業競争力を構成する要因などを論ずる科目が含まれるでしょう。また、環境・エネルギー政策のような個別の政策領域について、社会科学的なアプローチだけではなく、工学的・生態学的なアプローチで論じる科目、地域のサステナビリティをテーマに、地域医療、都市工学、農業問題、防災システム等に関するトピックを取り上げる科目などを提供してみたいと考えています。

＜今後のスケジュールは、どのようになっていますか。＞

　平成24年度は、拠点間連携を進めながらカリキュラムを準備し、平成25年度から、大学院の共通教育科目として開講する計画です。その後、この分野の学位を授与する新しい専攻を設置することも計画されています。
　来年度は準備期間ですが、その間に様々な公開シンポジウムなどを開催して、広く拠点形成事業に対するご理解を頂くようにしたいと考えています。そのような場で、リスナーの皆さんのお目にかかれることを楽しみにしています。
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         <category>永田晃也教授</category>
         <pubDate>Wed, 14 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>科学技術と社会のインターフェースを構築する (科学技術イノベーション戦略／永田)</title>
         <description><![CDATA[　今回は、科学技術と社会の関係をどのように構築するかというトピックについてお話しますが、その前に、「第4期科学技術基本計画」に触れておきたいと思います。

＜「科学技術基本計画」というと、国の科学技術政策について5カ年間の基本的な方針をまとめたものでしたね。第4期の策定は遅れていたそうですが。＞

　第4期計画は平成23年3月に閣議決定される予定だったのですが、東日本大震災の影響を受けて大幅な見直しが行われることになり、平成23年8月19日に閣議決定されました。こうした背景から、まず第4期計画は、東日本大震災がもたらした直接、間接の被害を未曾有の危機として捉え、この震災からの復興を世界的課題として位置づける基本認識を示しています。

＜今回の基本計画にみられる政策の具体的な特徴は、どこにあるのでしょうか。＞

　第2期計画以来、基本計画は重点推進分野を軸に構想されてきました。ところが今回は、イノベーションを推進すべき具体的な課題領域を示した点に大きな特徴がみられます。課題領域の一つは「グリーンイノベーション」で、「安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現」、「エネルギー利用の高効率化・スマート化」などが目標に掲げられています。
　もう一つは「ライフイノベーション」です。その目標には、病気の予防法、早期診断法および治療法における革新や、「高齢者、障害者、患者の生活の質の向上」が挙げられています。

<社会的な課題の側から目標を設定しているわけですね。>

　このような政策目標の変化を、今回の政策立案に関与した専門家は、「サプライサイド」から「デマンドサイド」への発想の転換として説明しています。重点推進分野を前提に考えると、どうしても科学技術の側から課題を設定するという「サプライサイド」の議論になり勝ちです。そうではなく、まず解決すべき社会的な課題を設定するための政策論議を踏まえるという「デマンドサイド」の視点に切り換えたというわけです。

＜それは、国民の側からみると重要な意味を持つ政策転換だったと思われますが、それを実行する上での課題もあるのではないでしょうか。＞

　まさに、その課題が今日お話してみたいトピックです。
　実際、グリーンイノベーションやライフイノベーションという課題カテゴリーの設定は、国民生活の需要に即したものになっていると思います。しかし、具体的な政策課題に落とし込む際に、ただ科学技術の専門家たちが、どのような研究開発テーマに取り組むべきかを設定することになると、結局、サプライサイドの政策に戻ってしまいかねません。デマンドサイドの視点に立った科学技術イノベーション政策を実現していくためには、非専門家、つまりは一般の市民、公衆と呼ばれる人々の視点を、具体的な技術課題に関する政策的な意思決定に反映させることが課題になります。

＜しかし、一般市民が専門的な技術課題に関与することは難しいのではないでしょうか。＞

　その通りです。科学技術の知識が専門的になるほど、その詳細を一般市民が理解することは困難になり、いわば専門家による知識の独占状態が発生します。それが、科学技術に関する民主主義的な意思決定を阻害する要因として注視されてきました。そのため、この阻害要因を除くための様々な試みもなされてきたのです。

＜具体的には、どのような方法が試みられてきたのでしょうか。＞

　例えば、科学技術に関する政策論議に一般市民の参加を得るための代表的な方法として、「コンセンサス会議」と呼ばれる取組があります。その標準的な進め方は、1980年代の半ばにデンマークで構築された方法に範をとっていますが、まず論争状態にある科学技術上のトピックが取り上げられ、これを議論するためのパネルが構成されます。パネルは、公募によって一般市民から選ばれた10数名の人々からなり、「市民パネル」と呼ばれています。一方、専門的な知見を提供する「専門家パネル」も構成されます。市民パネルは、テーマに関する質問事項を決定し、それに関する回答を、公開の場で専門家パネルから受けます。その後、市民パネルは、設定されたテーマに関するコンセンサスの形成を試み、その結果を文書にとりまとめて公表します。

＜その結果は、実際の政策に使われているのでしょうか。＞

　この方法が何度か試みられてきたデンマークでは、政策決定に一定の影響力を持っていると言われています。しかし、コンセンサス会議の文書が、政策決定に直結しているわけではないので、影響力は政策決定の際に参照される範囲に止まっているようです。

＜日本での取組はあるのでしょうか。＞

　日本でも、何度が試行的なコンセンサス会議が開催されています。例えば、2000年には農水省が「遺伝子組換え農作物を考えるコンセンサス会議」を開催しました。

　ところで、こうした取組を実践する上で重要な役割を果たしてきたのは、科学に対する公衆理解（public understanding）や、科学者と一般市民の対話（サイエンス・コミュニケーション）などを研究対象としてきた科学技術社会論（Science, Technology and Society: STS）と呼ばれる領域の研究者です。科学技術には分野ごとの専門家がいますが、彼らは自分たちが生み出す科学技術が、どのような社会的問題をもたらすのかに関する専門家ではありません。近年、科学技術社会論の研究者たちは、それらの問題をELSI（Ethical, Legal and Social Issues）すなわち「倫理的・法的・社会的問題」と総称して論じています。
　私自身は、STSの専門家ではありませんが、科学技術と社会のインターフェースを構築し、冒頭に申し上げたデマンドサイドの科学技術イノベーション政策を実現していく上で、今後、STSの研究者たちとの対話は益々重要になってくると思っています。
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         <category>永田晃也教授</category>
         <pubDate>Tue, 13 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>第２話　日本加工組立型産業の生き残り戦略～新しい世界への旅立ち（国際企業戦略論／永池克明）</title>
         <description>昨日は日本の加工組立産業のビジネスモデル見直さないといけないということを
お話しましたが、今日はその加工組立型産業が生き残っていく為にはどうすれば
いいのかをお話します。従来のビジネスモデルを変革する必要があるということと、
全く新しい分野へ軸足を広げていくというお話です。

従来型のやり方はベースとしてある程度は残ってもいいのですが、徹頭徹尾垂直
統合型ではなく、商品の特性によってはアジア諸国に任せながらネットワーク
（国際分業）でやるように、ビジネスモデルを分けるやり方です。例えばテレビ
でいうと、液晶などは比較的簡単にキャッチアップされてしまいます。つまり
デジタリゼーションによりモジュラー化が進み、簡単に汎用部品が手に入って、
それを組み立てれば、どこのメーカーも同じ様なレベルの物が作れます。これに
対して、アップルのiPhone、iPod、iPadタイプの商品のように、日本企業も商品の
新しいコンセプト創造や商品開発、あるいはソフト、サービス、マーケティング
など付加価値が高く、収益率も高い部分は自分で手がけますが、他の肉体労働的
なものはアジア諸国に任せるようなビジネスモデルにして、日本版の商品を開発し、
トータルとして付加価値の高いビジネスやっていく方法があります。これもイノベ
ーションです。

次は単体商品ではなく、ソフトとパッケージで売るシステム製品や複合製品を開発
することです。自社が手がけるところと他社に任せるところを分け、他のサービス
と組み合わせて販売します。ホームシステムではインテリアなど色々な応用分野を
開発していくことが重要だと思います。そして途上国市場では従来商品は途上国と
の提携により、現地仕様で開発設計を行い現地の材料を使って極力安く高品質の
ものを生産し、日本ブランドを添加した商品で差別化して勝負することでしょう。
これをリバース・イノベーションと言いますが、コストを劇的に下げることが
可能です。

もう１つはバリュー・イノベーションです。従来の発想は、高品質・高価格か、または
低価格・低品質かという二者択一でしたが、これから新興国市場では高品質だ
けれども値段も手頃な商品を提供することがバリュー・イノベーションです。
バリュー・イノベーションを推進し、日本の強みを生かすことが大事でしょう。

これらは従来型の事業を再構築するというモデルですが、もう１つの新規ビジネス
への転換は、自動車だけあるいはテレビだけといった単体ビジネスではない事業で、
アジアなど新興国が非常に高いニーズを持っているビジネス分野に進出していく
ことです。単一商品ではなくて複数のハード商品を組み合わせ、それにソフトや
サービスを絡めて販売するビジネスです。例えば空港・港、鉄道、高速道路、
上下水道、海水の淡水化システムといった産業インフラ事業、発電プラントなど
のエネルギー産業、公害防止システムやクリーンエネルギー開発などの環境産業、
無公害・安心安全な食料支援産業、高度医療サービスなどです。途上国が高い
経済成長を達成しようと思えばエネルギーも必要ですし、公害が発生してコスト
問題が出て来たり、経済成長が進めば水不足になったりする、新興国の無駄の
多い資源多消費型構造を解消するために日本の技術力でうまく支援するビジネスを
さらに強化することが大事だと思います。

振興国市場向けの新規有望ビジネスについては、2011年の暮れに出版した拙著
『国際企業経営の大転換』（九州大学出版会）の中にも書かれていますので、
詳しくはそちらも御覧いただきたいと思います。道路港湾鉄道や空港などの
物流インフラ、あるいは上下水道、海水の淡水化など産業インフラに対して、
高付加価値でしかも振興国が一番欲しているところに日本の強みを活かして
いくことです。単体のビジネスだけでなく複合的なプラントのような付加価値
の高い形でシステム化されたものを提供する事がこれから求められると思います。
もう１つの有望分野はコンテンツ、ポップカルチャー、アニメなどクール
（かっこいい）ジャパン（cool Japan）と言われる文化産業です。これは既に
色々な面で相当成功しています。１億２千万人の日本人だけではなく、アジア
諸国の主要都市で生まれている10億人ともいわれている新興中間層プラス
富裕層の若者に対して、日本の強みやサービスを提供していく事です。

いつまでも加工組立産業だけに依存する構造は、日本の将来を考えると極めて
危ういので、農業も含めて次の新しい産業を育成することが重要であり、急務です。

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         <category>永池克明教授</category>
         <pubDate>Mon, 12 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>第１話　我が国加工組立型産業のビジネスモデル見直し（国際企業戦略論／永池克明）</title>
         <description>一般に加工組立型産業と言われるのは、電機・自動車・精密機械業界の総称です。
電機に関しては2012年度業績の見通しが非常に暗く、特に家電産業は歴史的な
大赤字と予想されています。パナソニックが7,800億円と、おそらく史上最大の赤字、
シャープが2,900億円、ソニーが2,200億円と、三社合計だけで1兆2,900億円の大赤字
です。主力の薄型テレビがアジア勢との価格競争に巻き込まれ全然売れていない、
採算も悪いということが、最大の問題点ですが、そこを起点として今、日本の加工
組み立て産業がかかえる色々な問題点をお話ししましょう。

自動車は、東北地方に自動車部品等の企業が立地していたこともあり東日本大震災
の影響とタイの洪水で、日本メーカーの国内外向けサプライチェーン（供給網）が
寸断され、販売したくても製造できなくなったため販売数量が激減しましたが、
これから持ち直すだろうと予想されます。実際アメリカのビッグ３はその間隙を
ぬって売上高が改善しています。日本メーカーが、部品不足で出遅れてしまい、
アメリカでの販売台数が伸び悩んだため、アメリカのビッグ３、欧州勢プラス
韓国の現代自動車あたりがシェアを伸ばしてきたと言えます。

電機業界など加工組立型産業が落ち込んでいる背景には、戦後の色々な経緯が
あります。日本の電機業界には、多くの元気な企業が存続しました。互いに
日常的に国内企業同士で熾烈な競争をし、多角化も進みました。つまり同質的な
横並び競争が繰り広げられたのです。その中でいくつかの事業に特化した専業型
企業までが複合型の総合メーカーになっていきました。こうして70年代から80年代
前半辺りまでは、切磋琢磨して技術革新も進み、アメリカの家電産業を駆逐しました。
エズラ＝ヴォーゲルの著書『ジャパン アズ ナンバーワン』が世界のベストセラーに
なったほど「チームジャパン」は頂点に立ちました。

その結果、製品の需要構造が各社ともよく似てきて、採算性の良い事業と悪い事業
をを一切合財抱え込んだ事業構造になってしまいました。1990年代グローバリゼー
ション、デジタライゼーション或いはＩＴネットワーク化、それから経済のサービス
化という３つの大きなトレンドが世界のビジネスを変えていったの結果、アメリカ
からデル、ＨＰ、デル、アップル、インテル、ＴＩ、マイクロンなどの特定分野に
特化した強力な専業メーカーが続出しました。彼らは世界的な強みを持ち、駆逐艦
のように俊敏で意志決定も早く、戦艦ヤマトのような図体が大きく、動きの遅い
総合型の日本メーカーは結局その変化スピードについて行けませんでした。何でも
持っているが全部中途半端だから、一点突破型の専業メーカーに槍で突き刺される
ように個別撃破されるようになった、それが最大の問題です。つまり、90年代に
なってから、アメリカ企業はいち早くデジタル化の良さに気が付き、ＧＥは世界No.１
かNo.２ではないとダメだと取捨選択をしました。さらに、一分野に集中的に特化した
駆逐艦みたいなデル、インテルのような企業が出現しました。このようなビジネス
モデルの革新が、日本の場合90年代以降決定的に遅れました。

次はデジタル化が大きなインパクトになりました。どこででも手に入る汎用部品が
出回り、それを組み立てれば容易に完成品が出来るようになったことをモジュラー
（モジュール）化と呼びますが、これはデジタル化技術によって可能になってきました。
それまでは、日本企業だけでなく、ＧＥやフィリップスなど欧米企業も部品・中間
品から完成品、さらに販売まで自社でまかなう垂直統合型のビジネスモデルが普通
でした。アメリカ企業はここで垂直統合型から水平分業型へ大きくかじを切りました。
アップルなどは、収益の大きい部分だけを自分で担当し、部品などのモノづくりは
アジアの日本・台湾・中国などに任せています。そういう水平分業型のネットワーク
企業が成功してきていますが、日本企業はいまも基本的には垂直統合型といえますが、
そこに日本の電機産業の苦境の原因があります。

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         <category>永池克明教授</category>
         <pubDate>Fri, 09 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>集団の意思決定の難しさ（福岡女学院大学社会心理・組織心理／藤村まこと）</title>
         <description>今回の内容は、集団における意思決定についてです。
身近なところでは、会議があります。複数の人が集まって意見を交換し、問題に対する解決策を見つける、何かひとつの案を決めるということを会議で行いますが、それは集団での意思決定を行っていると言ってよいですね。その際、皆で集まり各個人が持っている情報を出し合って共有することも行われます。そしてひとりのリーダーが決めるのではなく、民主的に皆で話し合って何かを決めます。これが議論や会議の形ですが、三人寄れば文殊の知恵というのは本当なのでしょうか。古典的な社会心理学の研究では、集団での意思決定は誤った結果になることも多いという実験があります。

有名なところでは、集団思考、もしくは集団浅慮と言われるものです。例えば、アメリカでは政治のトップに非常に優秀な人材が結集していると思いますが、彼らが集まってもなお、政治的に間違った決定、よくなかったと言われる意思決定が行われることがあります。それらを見て行くと、誤った意思決定にはいくつかのパターンが見られると言われています。また、有名な例として、チャレンジャー号の打ち上げの意思決定があります。これは、技術者の方と経営陣の方が一緒に話し合いをしたのですが、技術者の方が危険だと反対意見を出したにも関わらず、経営的な判断によってその意見が黙殺され、ゴーサインが出たというものです。結局は、このスペースシャトルは故障し、乗組員全員が亡くなるという事態になりました。場合によっては、多少リスクのある意思決定をすることが必要な領域もあるかもしれませんが、医療や航空、鉄道といった、安全を扱うところでは、かなり慎重な意思決定が必要ですね。

それでは、集団の愚かな意思決定、すなわち集団思考はどのようなときに生じるのでしょうか。ひとつには、非常にまとまりの強い凝集性の高いチームで、皆が同じ考えを持っている場合。加えて、集団外部からの情報が入りにくい構造になっている場合、もうひとつは、時間のプレッシャーがあったり、問題が難しすぎるといった、外的な圧力が高い場合です。こうした状況がそろうと、まず自分達の力を過信し、反対意見や外部の情報を十分に吟味せず、集団内の反対意見も抑え込んでしまうことになります。その結果、集団の意思決定が誤った方向へ進んでしまいます。

これに対する対応として、やはりリーダーの働きかけが重要であると言われています。リーダーが最初に意見を言うと、反対意見が出難くなるので、リーダーは最初から強く自分の意見を出すのではなく、聞き役に回ると良いそうです。反対意見を言いにくい状況にあるのであれば、反対意見を出す役割の人をチーム内にあらかじめ決めておくなど、構造から変えることで、質の高い意思決定ができると言われています。

また、集団極性化という現象も良く知られています。これは、皆が集まって話をすると、各個人の意見の平均値より極端な方向へ結論が向かってしまうという現象のことです。
例えば、皆がほどほどに好きだった事や物に対して、話し合いで評価を行うと、個人の好意度の平均値よりも、より好ましい方向へと集団の好意度の評価が移行することがあり、その逆のこととして、あまり好ましくないとメンバーが思っていた場合は、集団での意思決定はより好ましくないという評価となるようです。興味深いことに、話し合いの後には、集団の意思決定の影響を受けて、個人の意見もより極端なものとなるそうです。
最後に、隠れたプロフィールという集団内での情報共有に関する話があります。たとえば人を採用する際に、候補者がふたりいます。ひとりには、良い所が七か所あります。もうひとりには三か所あります。ここだけ聞くと、長所が七つある人の方が魅力的に見えます。しかし彼らの長所について五人のメンバーで話し合うとき、三つ長所がある人について、五人のメンバーが皆その三つの長所を知っている場合と、七つの長所がある人について、五人がそれぞれ一つずつしか長所を知らない場合、皆が同じことを知っている三つの長所がある人の方が選ばれやすくなるそうです。これは結局、情報を共有するために話し合いはなされますが、話し合いではお互いが持っている情報の確認だけで終わってしまい、それぞれが持っている情報を交換するまでには至っていないということを示しています。メンバーがそれぞれ持っている情報については、意識して出すようにしていかないと、それが議論にならないまま終わってしまいます。質の高い意思決定をするためには、準備段階であらかじめ資料を配りお互いに読んでおくといった、情報共有の努力もやはり必要だということですね。</description>
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         <category>藤村まこと講師</category>
         <pubDate>Thu, 08 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>集団規範～集団の中の見えないルール（福岡女学院大学社会心理・組織心理／藤村まこと）</title>
         <description>今回の内容は、集団規範についてです。

規範は、日常的な用語です。辞書で調べると、「その社会とか地域で一般的に行われている行動の型」といった説明がされています。社会規範であれば、「人には優しくしよう」とか「人の物を盗んではならない」というルールの事です。それが社会全般だけでなく、集団とか小さなグループの中でも存在している。これが集団規範になります。

一つ例を挙げると、私達がエスカレーターを使用する際、福岡でしたら普段は左側に寄っていて、急ぐ場合は右側を歩いて行きます。仙台や東京、名古屋、京都でも同様ですが、大阪だけが逆らしいです。大阪では、右側に寄って、左側を歩いて行くそうです。私達が大阪へ行ったとしても、地元のやり方を通すかというと通しません。郷に入っては、なので、その地域ごとに合った行動パターンを私達は選んで生活しています。そういったルールが法律で決まっているわけではありませんが、法でなくとも人に行動をさせてしまうようなルール、これが集団規範です。

このことを職場集団とか学校集団とかで考えると、職場集団がわかりやすいのですが、新人の人はこういう行動をすべきだとか、会議ではこういう風に振舞うべきだとか、座る位置だとか。こうした行動パターンから言葉遣いや服装にいたるまで、組織や集団ごとに見えないルールが実は存在していて、それが集団のカラーや行動パターンを決めていると言われています。集団規範は規則や制度ではないものもありますが、大多数の人が同じ行動をとっているので、守らなければならないという集団の圧力がかかります。それに従えば褒められる、もしくは何も言われませんが、規範に反する行動をとると非難されたり注意をされたりします。

このように集団規範は類似した行動を促すので、メンバー間に類似性が生まれます。お互いの行動を予測できるようにないますので、チームワークをとりやすくなり、チームらしさが生まれてくると言われています。さらに規範というのは、チームのパフォーマンスにかなりの影響を与えるとも言われています。
基本的に、「チームでこれをやろう」と目標を設定した場合、「みんなで頑張ろう」とか「遅れない」といった、目標達成を支援する規範ができます。また逆に、「程々でいいじゃないか」とか「あまり協力しないでおこう」といった、目標を阻害する規範というものも実は存在します。しかし基本的には、支援する規範ができれば、それが集団のパフォーマンスを高めていくと言われます。

それでは、規範がどのように形成されるのでしょうか。規則や制度で決めていくことも可能ですが、人間が関わっているため、人間同士のコミュニケーションの中で生じると考えられます。例えば、新しい職場や見慣れない所に行くと、「ここではどう振舞えばいいのか」、「どこまで言っていいのか」と、私達は周りの様子をうかがいます。相手の反応をみながら、私達は集団や場の暗黙のルールを学んでいるわけですね。そのような場のルールは、特に人と人の相互作用の中で生まれ、そのルールの変化も、人の働きかけで生じると考えてよいかと思います。

ここでは、シャクターが1951年に女子大生を集めて行った実験を紹介します。この実験では１つのグループごとに三人のメンバーがおり、集団で厚紙を切るという作業をさせます。ただ、作業中、それぞれに同じチームの別の人からメッセージが送られてくるようにします。そのメッセージの中身が規範を形成するものです。一つのグループでは、「もうちょっと頑張ってください」、「もう少しスピードアップしてください」という目標達成、つまり生産量を上げるように働きかけるメッセージが送られます。もうひとつのグループでは、「ちょっとペースを落としてください」、「ゆっくりやりましょう」という、パフォーマンスを下げる方向に働くメッセージが流れます。するとやはり、パフォーマンスを支援するメッセージが流れているところではパフォーマンスが上がり、そうでないところではパフォーマンスが下がっていきました。この結果から、集団内のコミュニケーションから生じる集団規範は、集団の生産性にとって重要であることがうかがわれます。

また、この実験では仲の良さが集団のルールとどう関係するのかという点も見て行きました。よく言われているのが、仲の良い集団では、ルールの拘束力が高くなるということです。つまり、ポジティブな規範が存在する場合もまとまりが良い集団ではよりパフォーマンスが上がり、ネガティブな規範がある場合も、まとまりが良い場合は結束力が高いのでよりパフォーマンスが下がりやすくなるということが言われています。（先の実験では、目標達成にとって好ましくないメッセージが流れる条件において、仲の良い集団はより生産性が低くなっているという結果になっています。）

これまでお話したように、集団の中では、そこにどのような規範や見えないルールがあるかに気を付けておくほうがよいでしょう。皆が何かに気兼ねしていることがあれば、それを変えて行くように働きかけると良いですね。あともう１つ気をつけるとすれば、集団のメンバーが規範にどの程度従うのか、規範に対する反応の良さにも注意してよいかと思います。いわゆるまとまりが良い時は規範によく従いますが、まとまりが良くない場合規範が機能しない事もあります。リーダーがこうして下さいと規範を作ろうとしても、聞いてもらえないという状況もありますね。原因は複数あると思いますが、そのため、規範の内容と共に集団のまとまりも一緒に見ていくことも必要かと思います。
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         <category>藤村まこと講師</category>
         <pubDate>Wed, 07 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>異文化理解と国際ビジネス（異文化コミュニケーション／鈴木右文）</title>
         <description>本日は鈴木自身が九州大学ビジネススクールで授業の１つのテーマとして２４年度後期の扱う予定の異文化理解と国際ビジネスです。

授業のタイトルとしては異文化コミュニケーションで、今までビジネスに関する英文の講読あるいはビジネスに関するディスカッションやディベートというような事をやってきましたが、来年度、平成24年度の授業では講読の部分を企業関係のことから、先程のタイトルに出てきた異文化理解と国際ビジネスという分野のものに変えていきます。今回はその内容を紹介していきます。

ビジネスに関係する内容ということで、これまでのものと重なる部分もあります。例えば今までやってきた教科書だと日本の企業が海外にいかに展開したかというような話も見てきましたので、その意味では今度の教科書の、海外へ出て行く時に異文化理解は必要だ、国際ビジネスのマナーはこうだ、という話と関係する部分があります。

これまでにカシオ、京セラ、光岡自動車、キリン、エドウィン、ＮＰＣ、小林製薬、伊藤忠、亀田製菓、浦和レッドダイヤモンズ、テルモ、ダイセキ、キッコーマン、ＳＨＯＥＩ、ヤマハといった企業を英文で読んで学ぶということをしてきました。
今挙げた企業の中には海外に展開するのに熱心だったところもあるわけです。例えばオートバイのヘルメットを作っているＳＨＯＥＩや海外にお菓子を売った亀田製菓、海外で苦労してこんな事をしたというところがあり、またキッコーマンの醤油も涙ぐましい努力でアメリカにいよいよ醤油が売れるような時代を作りました。

これからはそういう個別の企業ではなくて一般論的な話になりますが、どんな内容をすることになるか項目をご紹介してみようかと思います。項目を挙げるだけでは退屈かもしれませんが、15回の授業に分けており、

①ビジネスや文化のグローバル化、②ビジネスマナー・ボディランゲージ、③名前・職名・敬語、
④ビジネスエチケット、⑤個人主義と集団主義、⑥海外で働く事、
⑦言葉やカルチャーと上手く付き合う、⑧接待と友情、⑨交渉・文化の違い、
⑩両者が満足のいく交渉、⑪アメリカと日本のビジネスの実例、⑫マーケティング・広告・配送、
⑬雇用制度の変化、⑭国際ビジネスとインターネット、⑮グローバル化と自由貿易の問題、

があります。

今回のトピックは、九州大学ビジネススクールで学ぶ理由の一つに英語が勉強出来るからという理由もあるので、そこで実践に活かせるという意味では、最初に学びたい章としてビジネスエチケットや、ビジネスマナー、交渉が挙げられるかと思います。

ビジネスエチケットに関して大事な事を１つだけ言うと、とにかく黙ったらいけないという事です。これは交渉でも同じ事だと思います。日本では沈黙は金というようなこともあってあまり余計な事は言わないという文化がありますが、沈黙の時間が流れるという事は興味を持っていない、あるいは自分が言うべき事が無い、この事はさっさと終わりにしてしまいたいと思っているような誤解を相手に与えかねません。
もちろん僕らと交渉する相手の人達が、日本人はこういう沈黙の文化を持っているということを学ぶ事も大切だと思うのですが、それはお互い様でお互いの文化をきちんと勉強した上で交渉すれば一番スムーズにいくので、相手の事を勉強する。我々からすると沈黙というのが例えば欧米、英米文化圏でどういう意味を持つかという事を知っておく事がとても大切だと思います。
ちなみにこの沈黙というのは無言の状態ということではなくて、必要以上の事は言わないという意味も含みます。

それから先程ビジネスマナーということを言いましたが、欧米人に初めて会えばまず握手を求めてきます。海外に行くことが多い方は、握手を求めてきてそれをサッと握り返すという事ができますが、本当に初めてそういう場面に出くわして慣れてない人だと一瞬固まってしまったりします。
それからハグもあります。２度目以降３度目以降に出会うような時に久しぶりと言って抱きかかえてくるわけですが、日本人は普通、男性同士や女性同士でも、また男女同士でもあまりしないと思います。

その辺の文化の違いをある程度勉強して、相手に合わせられるところを合わせたらいいと思います。

ハグをするのが大体どのタイミングなのかというのがよく分からないと言う方もいるかもしれませんが、
２回目以降で向こうが求めてくるのであれば、ちょっと恥ずかしいですがハグしていいと思います。
また僕達が躊躇していると、向こうからファーストネームで呼んでもいいと言ってくれる場合もあります。そういう風な形になったらもう遠慮はないと考えていいのではないでしょうか。

名前のことでいうと、よく役職で呼んでいいのか、それとも相手の方の名前を呼ぶのかという悩みもあります。
最初は役職できちんと呼び合って、今言った様にファーストネームで呼んでくれと向こうが言えばしめたものだと思います。しかしついつい日本人は遠慮して、役職で～課長さんみたいな言い方を延々とすることもあります。それはしかし向こうの文化では、いいと言っているのに呼んでくれないのは事務的にしか付き合わないということの表れだ、という風に解釈される恐れがあるのでこれは気を付けた方がいいでしょう。

最後に交渉について。

これも今言ってきた日米の文化をきちんと理解しようという話になりますが、１つだけ重要な事があります。交渉というのはビジネスの話なので、いきなり本題から入ってなるべく早く交渉を切り上げられれば、お互いに上手くいったと向こうの人は思います。だけど僕ら日本人は最初に当たり障りのない話から入って、仲良くなってそれから交渉したらスムーズにいくのだと考えがちです。

これは日本型の営業という感じで、まずは接待ゴルフでゴルフが終わってから話になるということがあります。それは向こうではまず常識ではないということで、もしやるのであれば、きちんと日本でそういう文化があるから出来れば尊重して付き合ってくれないかと切り出した方がいいでしょう。

九州大学ビジネススクールで鈴木がどういう授業を次年度やるのかは、今言ったようなことが中心になると思います。興味を持たれた方は、是非またＱＢＳにアプライして下さい。
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         <category>鈴木右文准教授</category>
         <pubDate>Tue, 06 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>イギリスの歴史：ノルマン朝の時代（異文化コミュニケーション／鈴木右文）</title>
         <description>
イギリスの歴史の話をしてきましたが、前回はイギリスの近代王朝の最初になるノルマン朝というのが始まろうとするところまでで、イギリスで大きな事件といわれている、ノルマン大征服というものが起きて1066年にノルマン朝がイギリスに開かれたというところまで見ました。

そしてノルマン朝が終わるのが1154年です。短い期間ですがこの後王様がずっと続いており、次の王朝に移動する時にはファミリーがちょっと移動するだけで血筋は繋がっています。

今回はその後どうなっていくのかいうところです。

前回まではケルト人、ローマ人、アングロサクソン人、ヴァイキングの人達と色んな侵略してきた人達のことを見ましたが、ノルマン人が最終的に入ってきてノルマン朝を作り、前回見た様にノルマン人は一旦フランスに入って来たヴァイキングの一種の人達がフランス王に仕える身分となり、その後でイギリスに攻め入ってきました。
この人達の最初の王様はウィリアム１世と言います。イギリスでの言い方がウィリアム１世で、フランスにいくとノルマンディー公ウィリアムという名前です。

名前が違うというのはよくあることで、例えばスコットランドからイングランドに王様が迎えられると、その時に名前が向こうでの呼び方とイングランドでの呼び方が違うことになります。
ここでノルマン朝を開きイギリスでは一国の主なのにも関わらず、フランスではフランスの国王に仕える身であるという、二重性が発生します。これは彼にとっては面白くないことです。

ではイギリスにいたら自由にやれていたのではと思われるかもしれませんが、フランス国王も面白くない思いを持っていて、ここがフランスとイギリスの仲が悪いところの始まりで、その後からイギリスフランスの色々な戦いが散発的に繋がっていく歴史の始まりなのです。イギリスでの足固めをするためにウィリアム１世が何をしたかというと、それまでにいたアングロサクソン人の貴族達の多くの人達から土地を奪い、財政的基盤を得て、その奪った土地はノルマン人の貴族達に分けてそれぞれが領主になりました。
イギリスの貴族は領地の名前を冠して名前を付ける事があります。ヨーク公と言うと、ヨークの地方を治めている人のことで、ここから土地とそれから貴族がイコールで結ばれることになりました。それが荘園制。つまり荘園という土地を持ってそこで耕してそこから出てくる上がりで食べていくという形で、そのようにした支配関係のことを封建制と言います。国王がいてその下に領主がいて、階級は低いですが英語で言うナイトと呼ばれる騎士の人達がいて、その更に下に農民がいるというような階層構造が出来、それがこの時代で確立しました。
それが近代に至るまで続いてきて、産業革命の時代ぐらいまで何らかの形で残っていた訳ですが、そういうことが始まった時代です。それを成り立たせる為に様々なことをしました。例えば土地の台帳を作る。そこに農民として誰が住んでいるというようなこと、いわゆる人別帳や土地台帳ということを始めました。これは日本の歴史を見ると太閤秀吉がやった事と同じです。

これは国をきちんと支配しようとすると誰もが考えることです。歴史の研究者にとってもありがたいことに、書き付けた物が豊富に残っています。

それで、ノルマン人達はそれ以前からいたイギリスの人達に対してだいぶ圧政を敷いて足固めをしようとしたのですが、それを称してノルマンの軛と言います。軛という字は圧政を敷いた、厳しくしたという意味を持ちます。
この当時に建てられた建物で、有名なタワー・オブ・ロンドンというものがあります。この時代は反逆者達を入れ込む牢獄として使われたのが最初の用途で、その後宮殿として使われるなど様々な用途があった訳ですが、幽霊話が有名なことからこの時代に捕らえられた人達の色々拷問を受けた呻き声が残っているというような話が残っています。

その後このノルマン朝がいつまでも続くかというと、どこの世界でも同じ事ですが跡目争いが発生します。それだけ王様というのはおいしい商売なのかもしれません。最初の一代目のウィリアムが死んだ後、ウィリアムにはもちろんイギリスに領地があり、加えてフランスの貴族でもあるのでフランスにも領地があります。それでフランスの領土を長男に残してイングランドの領地を次男に残したところ、当然お互いに相方の分も欲しがることになり、イングランド側とフランス側で再び戦いが起きることになります。勝ったのはこの場合イングランド側でフランス領土を併合してしまい、何百年後かにひとつもなくなるまでしばらくイングランドはフランスにも領地を持っていました。いずれにしても跡目争いがどんどん続いていき、最後に膠着状態を打開する為に出た１つの解決策が、イングランド側がフランスで領土の持つ代わりにフランス側から王様を作ろうというものです。

またこれもよくイギリスの歴史ではある事なのですが、フランス側には政略としてイングランド側から女の子が嫁いで行きました。後の歴史でも嫁いだ先から王様を招くという事があり、イギリスは不思議ですが一旦外に出て外から王様を招くというようなことがよく起こります。
こういう流れでフランス側から王様が出て支配するファミリーが変わり、新しい王朝の名前が付いた、プランタジネット朝が生まれました。

ノルマン朝は４代の王で終えるということになります。
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         <category>鈴木右文准教授</category>
         <pubDate>Mon, 05 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>ビジネスに関連した英語：強調　（異文化コミュニケーション／鈴木右文）</title>
         <description>今回の内容は「ある部分を強調したい時にどういう工夫をしたらいいか」、です。



日本語で強調する際は、間を置いたりトーンを高くしたりといった方法があります。また日本語と英語どちらにも共通することとして相手に伝えたいことの直前にポーズを置いて気を引くという方法があります。トーンを高くすることに関しては、日本語と英語のアクセントの使い方の差が関係します。日本語では高さを高くすることによってアクセントをつけますが、英語ではそれだけでなく長くする、強くする、ということを行います。
例えば、福岡と言う時に、日本語ではフクオカのクが他より高くなりますが、英語しか喋れない人がこれを発音しようとすると、フクオーカというように、オが強く、そして長くなります。



これと似たようなことが今日のトピックである【強調】にも少し言えます。ここでは、日本人が外国人が喋る日本語を真似した時「フクオーカ」という発音になる、それを文章にした時どうなるかという話で、今回の例文は、「非合法的なハッキング行為、いわゆるネットワーク上での乗っ取りの危険性に出会う」というようなものです。

”Here we face the risk of illegal hacking.”という文章で、 the risk of illegal hackingのところを強調したいのですが、元々英語は、普通に文章を読むと最後の単語のあたりにイントネーションの山が来ます。なので、ごく普通にそのように読んでも最後の部分を強調したことにならないので、文末に来る塊を強調しようとする時は、より長く強く読んで強調する必要があります。
例えば、Hear we face THE RISK OF ILLEGAL HACKINGなどというふうに、ことさら少しゆっくりして、そして強く読むというようなことをまず基本として覚えておくと良いです。



また、そういうイントネーションだけでなく文法上語順を入れ替えたりなどという工夫によって強調を表すこともできます。同じ文章でそのやり方をいくつか紹介しましょう。
まず「話題化」という手法で、The risk of illegal hackingを文頭に持ってくる言い方です。つまり、”The risk of illegal hacking we face here”といって、日本語では「illegal hackingの危険性、これにここで私たちは出会う」というイメージです。
また、先に出してくる方法として、学校文法で強調構文というものがあり、仮主語のitを使ったものと、wh句(what等)を使ったものの2タイプが挙げられます。it を使うものを同様の文章で言うと、”It is the risk of illegal hacking that we face here”、つまり「ここで私達が出会うのは、the risk of illegal hackingである」となり、強調したいものをit isの後に持ってきて、thatの後の文の中で、強調した部分が欠けている、という文法の作り方になります。
まったくそれと同じ事を、wh句を使って（ここではwhatを使う）同じタイプの強調構文ができます。
その例は”What we face here is the risk of illegal hacking”、「ここで私達が出会うのはthe risk of illegal hackingです。」というもので、まず目的語の位置、強調すべきものの位置が違います。Whatで始めると、最後に来て、it isで始まると、it isのすぐ後に来る。後に持ってきてタメを作るのであれば、what we face hereで始める方が効果的です。



また、今回詳細は述べませんが、色んな文脈やプレゼンテーションの具体的な流れの中で、どちらがより合っているという事実はあります。



その他、プラスアルファの要素を入れて強調したいという時は今の基本的な構文にいくつか文法的な仕組みを付け加えます。
例えば、”I would like very much to emphasize that we face here the risk of illegal hacking”では、emphasizeという動詞を加えて強調します。
これは、「ここで次のようなことになるということを是非強調したい。」という仕掛けを加えたこと、つまり今から言うことを強調したいと自分で言ってからthe risk of …とつなげる方法です。

同じような言い方で、emphasizeを名詞emphasisとして使ったこういう言い方もあります。”Let me put an emphasis on the fact that we face here the risk of illegal hacking”、これはLet me～させて下さいという意味で、「～の事実に強調をおかさせてください」という方法です。これも聞いている人にとって同じ事で、Let me put an emphasisとくれば何を言うのかと思って耳をそば立てるということになります。

もう一つ紹介すると、形容詞をさきほどのriskという単語につけて、重大なリスクがある、と工夫することも出来ます。例えば、Here we face the serious risk of illegal hackingと言えば、seriousが来て何が来るのかと身構えさせ、それで最後のillegal hackingでなるほどこれが言いたいのかと思わせることができます。



この他、プレゼンテーションであるので、言葉でなくてアクションも使うことが望ましいです。日本人は喋ること読むことに気を取られすぎて、ハンドアクションをして自分の身体的にも相手に語りかけるという事をついつい忘れがちです。欧米ではそれは必ずやるようにしているので、その辺も気を付ける必要があります。
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         <category>鈴木右文准教授</category>
         <pubDate>Fri, 02 Mar 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>ソーシャルビジネスフォローマップフォーラム　in 仙台②（岡田昌治／国際企業法務）</title>
         <description>後日掲載いたします。</description>
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         <category>岡田昌治特任教授</category>
         <pubDate>Wed, 29 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>ソーシャルビジネスフォローマップフォーラム　in 仙台①（岡田昌治／国際企業法務）</title>
         <description>後日掲載いたします。</description>
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         <category>岡田昌治特任教授</category>
         <pubDate>Tue, 28 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>シリコンバレーシリーズ～中国ブーム～（イノベーションマネジメント/朱穎）</title>
         <description><![CDATA[<B><font color="Blue">■アメリカにおける中国ブーム　</B></font>

基本的にはシリコンバレー、そしてアメリカ全体で、ものすごい中国ブームが起こっています。特に、シリコンバレーを見ますと、中国の起業家達の活動が非常に活発になっています。この中にはそもそもこの地域で学んだ留学生が多いです。彼らは卒業した後に、例えばシスコシステムのような大企業でジェネラルマネージャーまで上るのか、あるいは自分で起業するのか、あるいは大学に残ってアカデミックの研究者になるのかというように、様々なキャリア設計持っています。実際に、中国の最近の国内でのＩＴブームを見ますと、例えば、アリババの創業者のJack Maや、最近アメリカのＣＮＮで頻繁に紹介されている中国版ツイッター創業者のCharles Chaoなど、中国ＩＴ創業者の多くはアメリカで学んだ経験があります。全体的に、彼らは積極的にアメリカ国内のマスメディアに対して発信したり、アメリカの人気番組のトークショーに招かれて話したりしています。彼らは英語が流暢に話せて、なおかつアメリカの価値観もよく分かっていることから、アメリカの国内の中で中国ビジネスに魅力を感じている方が多いようです。アメリカと中国の今の経済関係を見てもそれははっきりと分かります。

<B><font color="Blue">■中国ブームの理由　</B></font>

アメリカ側からみて、中国の面白いポイントはたくさんあります。一番大きなポイントは、なんといってもマーケットの潜在的可能性ではないかと思います。もう一つ、中国人の意思決定プロセスがアメリカ人に非常に近いとも言われています。いわゆるビジネスのＹｅｓ、Ｎｏがはっきりしていて、意思決定のスピードも早いわけです。

最近、中国ブームとして中国が非常に重要視されていますが、個人的には日本とは違うと感じています。日本で私がよく感じているのは、日本を中心にして、たとえば日本の生産システムや日本の技術をどうやって海外に持っていくかという発想が多いです。しかし、アメリカにはアメリカ人を中心にしてという発想は全くなく、マーケットとしても面白いから現地で何が出来るのかというのが、彼らの考え方だと思います。そうした中で、中国をポテンシャルのあるマーケットとして客観的に見ることができ、臨機応変に現地の観点に照らして物事を判断しています。なんでも国内のものを持っていくのではなく、現地で何が必要とされているのかをまず見極めているわけです。さらに、中国人留学生を最大限に活用、登用して、彼らをアメリカと中国のビジネスのパイプ役にしています。

<B><font color="Blue">■アカデミック分野における中国　</B></font>

ビジネスの場だけでなく、アカデミックなところでも中国研究がブームになっています。例えば、80年代に日本企業に対して関心を示したアメリカの学術界は、最近は関心を中国に向けていて、色々な研究活動が盛んに行われています。実は、1月中旬にスタンドフォード・ビジネススクールで中国企業の意思決定に関するカンファレンスが開催されまして、再び行ってきました。実は、このカンファレンスの主催者は、前回ご紹介しましたJim March教授です。このカンファレンスの参加者には、例えばアメリカ経営学会（Academy of Management）の全学会長だった、Anne Tsui教授をはじめ、アメリカ国内の大学で教鞭をとっている中国人研究者、中国国内の清華大学、北京大学、あるいは上海にある中欧商工学院（ＣＥＩＢＳ）という大変有名なビジネススクールの教授たちが参加し、各自研究ペーパーを発表したり、色々なディスカッションをしたりして、非常に知的、刺激に満ちた楽しいカンファレンスでした。

アメリカの学術界が中国に目を向けている理由として、一つは、アメリカ企業の積極的な中国進出に伴い、中国の研究が必要になっていること、もう一つは、中国国内の要因で考えると、欧米系の教育・研究システムを導入するようになっていることが挙げられます。このような背景から、中国人研究者がすさまじいスピードで海外進出を始めていますし、交流が非常にしやすくなってきました。

アメリカと中国が今後どのような環境になっていくかというのは、日本人から見ても気になるところです。私が個人的には、アメリカの中国研究はどちらかというと実学より学問重視の傾向にあると思っています。実学的な発想として、例えば国内で持っている技術や生産システムをいかに中国にもっていくかという発想ほとんどなく、むしろ彼らが関心をもっているのは中国経済の移行期における中国企業の行動パターンです。計画経済から市場経済に移行しようとしているこの中間期において、たくさんのことが起こっています。特に中国企業の行動パターンの中に、例えばアメリカ従来の経営学の体系の中ではうまく説明出来ないような要素がたくさん潜まれていると考えられます。そういう要素を研究することにより、従来の学問体系を整備し、どんどん貢献することができるというのが、アメリカ国内の学者からの期待ではないかと思います。中国企業における行動原理の解明だけでなくて、自分たちもなにか示唆があるかもしれないということです。

このカンファレンスに参加して面白いと思っているのは、例えば中国企業にはたくさんな企業形態があり、最近特にFamily Businessというのが非常に成長しています。これは中国だけではなく、例えばインドのタタ財閥の例からわかるように、いわゆる新興国経済を見ると、Family Businessが非常に中心的で重要な役割を果たしています。新興国におけるFamily Businessの意思決定プロセス、さらにガバナンススタイルなどを研究すると、従来の経営学の論理の中でカバー出来ないようなものがたくさんあるはずです。そういう事を研究することによって、従来の知識体系にも貢献出来るのではないかと思います。

もう一つの事例を紹介しますと、このカンファレンスの同僚たちは、中国のビジネススクールの教育システムとアメリカのビジネススクールの教育システムを比較するという研究をスタートしています。目的としては、中国のビジネスクールの教育体系を研究することによって、逆の観点からアメリカの教育システムの問題点を探り出すことを彼らは考えています。実学的なところよりも、むしろ根底的な学問に新しい観点を取り入れてなんとか整備しようというのは、このアメリカ国内における中国ブームの特徴の一つだと思います。そのため、ビジネスだけではなく、アカデミックな分野における「米中接近」はますます活発になると予想しています。



世界からの研究者がJim March教授を囲んで、中国企業の意思決定プロセスについて論じ合った

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         <category>朱穎准教授</category>
         <pubDate>Mon, 27 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>シリコンバレーシリーズ～Jim March教授の教え【PlayfulnessとCreativity】～（イノベーションマネジメント/朱穎）</title>
         <description><![CDATA[スタンフォード大学で研究してきたお話を数回に分けてお話しています。今回は、スタンフォードで研究活動を行っていた時にJames Marchという大変有名な組織論の教授に出会い、その方から面白い事を教えて頂きましたので、その事を紹介したいと思います。

御存知の方は多いかもしれませんが、James March教授は組織論の研究分野において世界で最も権威のある方です。主に意思決定プロセスにおける人工知能的な観点を導入することで有名ですが、この観点を用いて、組織の探究活動と既存のルーティング活動を色々分析しています。イノベーションについて色々言われていますが、マーチ教授の観点から分析すれば、そもそも既存組織、既存企業はイノベーション出来ないということです。何故かというならば、学習のルーティングプロセスに非常に大きく作用されていまして、既存の経営資源の活用においては非常に上手いのですが、逆に新しい方向を探り出すというのはなかなか出来ないからだそうです。ある種のジレンマに陥ってしまうという、面白いパラドックス的な観点です。

ただ、ここからが素晴らしい研究をされているMarch教授の一番面白いところだと思います。組織の中にSlack　Resourceというのがあります。新しい知識への探求活動をサポートできる経営資源の創出、もしくは個々人が、Playfulnessと呼ばれる遊び心を持つことが、創造性の維持や新しい研究活動の探索に非常に意味を持つ、重要であるということをMarch教授は言っています。

<B><font color="Blue">■Playfulnessに基づく企業文化　</B></font>

シリコンバレーで今台頭してきている企業というのは、そういうものが備わっていると言えると思います。個人的にこの地域で色々生活すると、みんなが遊び心を大事にしているように感じます。まさにPlayfulnessとCreativityとの間に非常にうまく相乗効果をもたらしているということではないかと思います。

１つ例を挙げますと、Googleに行ってきました。この企業に行って一番印象的だったのが、なんといっても自由な企業カルチャーです。膨大なGoogleキャンパスをGoogleの社員に案内してもらったら、いたるところで自由根本的な企業だと感心しました。私は午後の２時に、サンノゼ州立大学の友人と一緒に行きました。その時間帯のことを皆さんに考えて頂きたいのですが、午後の２時は通常だったらオフィスの中で一生懸命パソコンに向って仕事をしているというイメージが強いと思います。なんとこの時間帯にGoogleの社員はビーチバレーをやっていました。

疑問に思って話を伺いますと、１日に何時間働くというのは個人の自由であって、１日のタスクのみがあります。例えば、開発のリードタームに合わせて一日のタスクが定められていますが、それを24時間で完成しようが３時間で完成しようが個人の自由です。能力があればパッと仕事を終えて、その後で自分の自由な時間なわけです。例えば、コーヒーを飲んだり、ビーチバレーをやったり、自由にやってくださいという、成果だけ出せば良いというようなカルチャーです。


内部を見学すると、ほとんど組織の壁が感じられませんでした。誰がボスなのか誰が部下なのか、組織内の仕来りが全く無く、自由に空間を共有して自然にチームワークが発生するような仕組みになっています。
こうした自由な空間から、当然何か新しいビジネス・アイディアへの創出に結びつくって事があるような気がします。人間の創造性というのは、やはり遊び心がないとどうもルーティングワークになってしまい自由な発想というのは自由な遊び心からヒントを得ることが多いのではないかと思います。

<B><font color="Blue">■PlayfulnessとFoolishnessは創造性の源泉　</B></font>

誤解しやすいところですが、アメリカ、特にこのシリコンバレーは明るい雰囲気が多くて楽しそうと、楽だというイメージを持っている方多分いらっしゃると思いますが、実際は違います。例えば、アントレプレナー達の仕事を見ると、彼らは本当に１日24時間働いている方も多いです。生活を重視しているというのがアメリカ人の特徴の１つかもしれませんが、実は背景にあるのはハードワークです。ここでもう１つMarch先生の面白い議論を紹介しますと、遊び心としてのPlayfulnessも大事であると紹介しましたが、もう１つ創造性の根底を成しているのは馬鹿らしさ、Foolishnessという事を言っています。

この地域の人たちを見ますと、皆さん本当にいい教育を受けていまして、スタンフォードでMBAを取得すれば、東海岸の金融街で相当の収入が得られます。非常にいい暮らしが待っていますが、彼らはそういう生活を捨てて、車庫の中で起業し、何もない所からスタートします。当然、当初はあまり収入がないわけですから、１日24時間働いて、Ｔシャツで１日コカコーラばかり飲んでいるような生活をずっと続けてきたわけです。それは何故かと言うと、先ほど申し上げました遊び心としての楽しさ、もう１つは自分が信じている事をとことんまで追求するような馬鹿らしさからなのです。

日本人は真面目、勤勉と言われますが、特にこれが足りないところです。結局シリコンバレーの繁栄の根底にあるのは、若者たちの一生懸命自分の夢に向かって追求していく楽しさと馬鹿らしさではないかと思います。

広大なGoogleキャンパス内に点在する「遊び心」
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ビーチバレーを楽しむGoogle社員
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         <category>朱穎准教授</category>
         <pubDate>Fri, 24 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>シリコンバレーシリーズ～Frederick Terman 博士物語～（イノベーションマネジメント/朱穎）</title>
         <description><![CDATA[去年の３月から10月にかけてスタンフォード大学で研究をしてきたので、前回はスタンフォード大学、そして周辺のシリコンバレーの話をしました。今回はその続きです。スタンフォード大学がどんどん有名になっていく過程には２つの秘密があるという話をしましたが、１つは優秀な頭脳を全米、あるいは世界から集めてきたということ、もう１つは大学と産業界との緊密な連携にあるということでした。

今回はこの大学と産業界の緊密な連携についてお話します。シリコンバレー・エコシステムにおける大学と産業界のWin-Win関係、さらにスタンフォード大学の永遠なる繁栄の基礎を作り上げた中心人物、School of　Engineeringの元学部長であったFrederick Terman博士について御紹介しようと思います。

<B><font color="Blue">■シリコンバレーの生みの父　</B></font>

日本ではシリコンバレーの歴史を語る時にWilliam Shockleyという方の名前がよく挙げられます。この方はトランジスタを発明して、その後カリフォルニアに戻ってショックレーセミコンダクターという半導体の企業を創立した方です。彼は非常に優れた科学者でしたが、どうもマネジメント能力はあまりなかったらしく、技術者達は彼に反発して次から次へと独立し自らスピンオフしていきましたが、これはシリコンバレーの成長の１つの源泉になっていると言われています。しかし、現地でシリコンバレーの産みの父としてよく挙げられているのは、今回お話するTerman博士です。彼はスタンフォード工学部の元学部長で、研究でもラジオの研究でも大変有名ですが、研究だけではなく、むしろ大学と産業界とのwin-win関係を構築した方として今でも非常に尊敬されています。

Terman博士はStanford engineeringの学部を卒業後、MITで博士号を取得しています。元々当時の伝統として、西海岸ではなくて東海岸で学んで科学者としての道を築き上げるという伝統がありました。ただし、この方は元々カリフォルニアに住んでいて、色々な偶然が重なり、スタンフォードに戻ってきて教鞭をとる事になりました。彼はやはり、自分の卒業生が次から次へとスタンフォードを卒業して、地元に残ることなく東海岸に職を求めていたことに非常に危機感を持つようになりました。なんとか人材を残さないといけないと思うようになったわけです。その為に、地元で何か強い産業を作らないといけないという結論になりました。当時は非常に研究資金が限られていたのですが、なんとか資金調達して、地元でラジオの研究所を作りました。また、第二次大戦後、アメリカの軍事科学関係の技術を民間に移転していくことを先取りに予測し、連邦政府から研究資金を調達し、全米の優秀な科学者を次から次へと引き寄せて、彼らに非常によい研究環境と研究資金を提供する事に対して非常に努力されました。

博士には主に２つの貢献があるということをよく言われています。１つはやはり地元の方々からも今も親しまれているヒューレット・パッカードの成長物語です。実は、ターマン博士はヒューレット・パッカード創立者の２人、David PackardとWilliam Hewlettに対して、創業初期段階から多様なサポートと助言を提供していたという事で有名です。2人は、元々ターマン博士の学生でした。パッカード社の初期製品は計測器を作っていました。２人は当初のプロダクトを売らないといけないです。当然誰も知らない２人なのでなかなか顧客がいなかったのですが、Terman博士はなんと25名の初期顧客リストを提供したことが言われています。この顧客リストの中には、例えばウォルト・ディズニーのトップエンジニアだったホーキンスという方がいて、この方は実は1938年にヒューレット・パッカード製の計測器を当時の70ドルで８個も購入しました。これは大変な収入源になったわけです。徹底的に企業サポートしていたというのは、当時のアメリカでは稀だったのではないかと思います。

<B><font color="Blue">■大学と産業界のWin-Win関係　</B></font>

Terman博士のもう１つの貢献として、産業界における大学からの技術移転を推進したことが非常に大きかったと言われています。例えば、Stanford Industrial Parkの設立や産学提携の推進、あるいは教員と学生のアカデミック・アントレプレナーシップの推奨などたくさんの努力をされました。実は、スタンフォード大学の最強の秘密というのは、大学の発明によるロイヤリティ収入にあります。例えば、教授とか大学院生、研究室で色々な研究がされるわけですが、当然何か発明があるわけです。それは職務発明として大学に届け出ないといけないわけであって、その発明が例えば将来的にある企業に商業化していくのであれば、当然ロイヤリティとして大学のほうに入ってきます。

もう１つ客観的なデータを紹介しますと、例えば1991年から2000年までこの10年間で大学の累積収益は400億ドルまで達しています。その400億の中の98％は、実は70年代に開示された大学発明によって実現されているわけです。要するに、スタンフォード大学の大学院生は、例えば発明した物をその後自分の企業に応用すれば成功するかもしれないわけです。そして、成功すればするほど大学へ入っていくロイヤリティ収入が増えます。ということは、やはりスタンフォード大学とこのシリコンバレーとの間はWin-Win関係にあるわけです。ここまで２人３脚で地域と大学が連携しているという例は世界でもなかなかありません。ＭＩＴもそうだと言われますが、日本でもほとんどありません。やはり１つのEcosystemとして、大学と産業界との緊密な連携が非常に重要で、その緊密な連携を作り上げたのがTerman博士です。

最近のデータを挙げますと、2007年まで実はスタンフォード大学の卒業生、あるいは教職員は、総計1200社の企業を立ち上げました。このシリコンバレーで生産されたアウトプットの50％が、実はスタンフォード関係者によって作られたわけです。産学連携という言葉は日本でもよく聞くようになりましたが、スタンフォード大学が昔からこういう事をやってきたというのが分かります。私が非常に素晴らしいと思っていることの１つとして、確かにこの産学連携がアメリカの大学でかなり盛んに行われている一方で、学問の自由がきちんと守られています。出来れば産業界からの雑音がアカデミックの研究活動に影響しないように、大学と産業界の間でリエゾン・オフィスのような中間組織を設けており、また大学専属のスタッフが提携の業務活動に責任を持ってやっているということから、結果的に大学の教員は従来の研究活動に専念出来るような仕組みが非常に守られています。このことが最も素晴らしいことではないかと思います。




青空にそびえるWilliam Gates Computer Science Building

<img alt="%E9%9D%92%E7%A9%BA%E3%81%AB%E3%81%9D%E3%81%B3%E3%81%88%E3%82%8BWilliam%20Gates%20Computer%20Science%20Building.jpg" src="http://bbiq-mbs.jp/blog/%E9%9D%92%E7%A9%BA%E3%81%AB%E3%81%9D%E3%81%B3%E3%81%88%E3%82%8BWilliam%20Gates%20Computer%20Science%20Building.jpg" width="600" height="450" />]]></description>
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         <category>朱穎准教授</category>
         <pubDate>Thu, 23 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>シリコンバレーシリーズ～スタンフォードシリーズ～（イノベーションマネジメント/朱穎）</title>
         <description><![CDATA[私は去年の３月から10月までアメリカに行っていました。スタンフォード大学の中にスタンフォードベンチャープログラムというのがありまして、そのベンチャープログラムのところに研究と教育の色々なこと勉強、研究するという形で行かせて頂きました。今回から２回続けて、そのスタンフォードでの話をします。

シリコンバレーの歴史について語る時に、やはりスタンフォードの役割を見ないといけません。現地でよく使われている言葉の一つにEcosystemという言葉があります。これは要するに、スタンフォードを中心とする学術機関の役割、ベンチャー・キャピタリストたちの旺盛なサポート精神、さらに世界各国からやって来た優秀で多様性に満ちた優秀な人材との３つの相互作用によるダイナミックなネットワークのことです。

<B><font color="Blue">■スタンフォード大学設立秘話　</B></font>

スタンフォード大学は、1891年に当時のカリフォルニア州知事で鉄道の創立者でもあったリーランド・スタンフォードとその御婦人のジェーンの病死した息子さんの名前、リーランド・スタンフォード・ジュニアと名を残すために創立した大学です。実はこれにまつわる面白い話があります。当初、御夫妻は必ずしも西海岸で大学を造ることを考えておらず、むしろアメリカの東海岸にある大学を見学しました。当初はハーバード大学を訪れたようです。この二人は西海岸で大変富と名誉を築き上げましたが、面白いことに、どうもラフな格好でハーバード大学を訪れたようです。特に、御婦人のジェーンさんは宝石類ほとんど着けず、ハーバードの関係者に貧乏人として思われていました。御夫妻から息子さんの名前を残すために寄付したいと申し出たのですが、ハーバードの担当者からそれがいくらかかるか御存知ですかと、大変冷たくされたようです。そういうことがあったため、結局激怒し、東海岸を去ってカリフォルニアに戻り、やはり地元で大学を創る事を決心しました。やはり、その人の外観で物事を判断してはいけないということではないかと思います。このようにスタートした、当初は無名に近い私立大でしたが、今ではアメリカ国内のトップ大学まで成長しました。

<B><font color="Blue">■スタンフォード大学成長の秘密　</B></font>

スタンフォード大学がシリコンバレーとともに非常に世界的に有名になったという経緯についてお話します。実は秘密が２つあります。１つはやはり人材戦略だと思います。1950年と2007年の大学規模を比較すると、1950年に学部生の数が4800人であったのに対して、2007年は6700人まで成長しました。特に大学院生の数を見ると、この50年間で３倍近くまで成長しました。学生は非常に多様性に富んでいます。例えばアジアからの留学生が日本でもよく伝えられているように、日本人の海外留学者は減っているという状況で、最近はむしろ中国と韓国からの留学生が非常に勢いを見せているということが１つの特徴になっていると思います。

そして学生集めだけでなく、全米から非常に優秀な教授陣を迎えたというのが成長の源泉を成していると思います。例えば2007年のデータを見ますと、1800人の教員の中でアメリカ国家科学賞の受賞者は30名、ノーベル賞の受賞者は28名まで上っています。スタンフォードの教授陣の多くは、元々東海岸で生活していた方が多いのですが、やはり西のほうに移ってきた理由の１つとして天気の良さを挙げることが多いです。東海岸の厳しい冬より、のびのびして太陽いっぱいのカリフォルニアの方が知的生産性を維持するには非常に絶好の立地条件ではないかと思います。

<B><font color="Blue">■スタンフォード大学とシリコンバレー　</B></font>

スタンフォード大学とその周囲のシリコンバレーという地域の関係についてお話します。分かりやすく言えば、両方win-win関係にあると私は思っています。例えば、これについては次回御紹介しますが、シリコンバレーで働いている技術者の内訳を見ますと、60％が外国籍です。さらに、このシリコンバレーで生まれた技術特許の50％というのは、その外国からやって来た技術者たちによって発明されたそうです。要するに、よく言われている中国系、インド系、それ以外にも最近はヨーロッパからの人達も目立っています。彼らと話をしますと、元ルノーの電気自動車のプロジェクトエンジニアであったり、その仕事辞めてソフトウェアのデザイン関係の仕事をやっていたり、あるいは元ＢＭＷのシニア・エンジニアだった人が、仕事を辞めて、スタンフォードの車関係のプロジェクトのディレクターになっていたりします。あるいは、ＥＵ関係のそういうコンサルタントをやっていた方が、仕事辞めてスタンフォードで教鞭を取っていたりします。非常に多様性に富んでいるというところが１つの特徴と思いますが、よくよく話をしますと、やはり元々の組織は非常に官僚組織になっていて、中で自分の能力を上手く発揮できないと感じていたそうです。雇用の保証はあっても楽しくないので、むしろ雇用の保証はないけれど、チャレンジ精神に満ちたこのシリコンバレーで働いた方が自分にとって楽しいと皆さんは言っています。

そういう意味でも、やはりアメリカという国に夢を求めるといいますか、彼らにとっての場所がシリコンバレーであるということでしょう。ソーシャルネットワークという映画を御覧になった方は多いと思いますが、最近FacebookもここPalo Altoに本社として移ってきました。一見すると典型的なアメリカの田舎町のように見られますが、例えば70年代のゼロックス研究所から最近のFacebookまで、常にイノベーションの先頭に立って絶えず進化しています。その根底になっているのは、やはり世界から優秀な頭脳達が集まって来ているというところではないかと思います。

ロマネスク様式のキャンパスでは次々とベンチャー企業が育っていく
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         <category>朱穎准教授</category>
         <pubDate>Wed, 22 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>中韓FTA交渉が本格化（国際企業戦略／永池克明）</title>
         <description>中韓FTA交渉が本格化

前回は、韓国の輸出入の動向から、韓国が2011年の輸出入は好調で、一方で、
日本が2011年の貿易収支が31年ぶりに赤字になったという比較をしながら、
韓国のＦＴＡの戦略のことをお話ししましたが、今日はその続きで韓国と
中国の自由貿易協定が本格化していくという話です。

韓国は、既に７つの国とＦＴＡを締結していますが、この程中韓のＦＴＡ交渉を
本格化するというらしいという話がいます。これが本格的に発効すると、既に
発効が確実視されている韓国とアメリカの貿易額よりもさらに巨額の中韓の
貿易規模からみても、韓国からアメリカへの輸出にドライブがをかかる可能性が
あります。ただ、中国と韓国の間でいろいろ微妙な問題もあり、相当厳しい交渉
になるのではないかと予想されます。

具体的に言いますと、韓国の領海内に中国の漁船がやってきて、いろいろな
トラブルが起きています。それに農業問題、あるいは、超安値の機械器具など
中国製がどんどん流入しています。それで、韓国市民がかなり恐れていること
もあり、これを交渉でうまくおさめることができるかが焦点です。いずれに
しても中国は韓国にとって最大の貿易相手国であり、貿易障壁がなくなれば、
韓国の更なる飛躍、輸出の増加に寄与すると期待されます。

日本は中国、韓国とのＦＴＡをまだ締結していません。いまアメリカとのＴＰＰ
交渉に臨もうとしているところですが、アジアとの自由貿易へのポジショニングの
点で日本はかなり遅れています。そういう意味では中韓が交渉を開始したとなると、
日本としても心穏やかではいられません。

東アジアは、欧米への輸出でなんとか成り立つメカニズムでこれまで成長して
きましたが、いまや東アジア貿易経済圏の域内市場は相当大きくなっており、
おそらく10年もしないうちに世界最大の経済圏になる可能性があります。したがって
東アジア市場向けの輸出やビジネスは、これからの日本や韓国にとっても重要な
ファクターになってくるでしょう。ビジネスチャンスでもあり、飛躍の成長戦略を
実現する大きなテコになってくると思われます。

中韓のＦＴＡの今後の手続きはたくさんありますが、まず政府間の事前協議が
あります。それから中国と韓国の間で通産関係の大臣級の会談が行われます。
一方で経済産業省や総務省など貿易関連官庁の実務者会談があり、そこで整備を
した上で、政府、学会、業界関係者たちが参加し公聴会を開いて、その妥当性が
検討されるため、まだまだ時間がかかるでしょう。韓国とアメリカのＦＴＡでは、
１年で一応交渉がまとまりましたが、ＥＵとの本交渉では３年５ヶ月も要しました。
特に日本と同じく韓国も農業問題や中小企業の問題について市場開放交渉でうまく
粘って、少し時間を稼げるかとなると、中国は韓国と非常に近い国であるゆえに、
ＦＴＡの長所短所がよく見えるわけので、交渉も微妙かつ難航するでしょうから、
少なくとも３年ぐらいはかかるのではないかと思います。

一早くアジアで中韓がＦＴＡ交渉を妥結すれば、先約済みの国々が出てきて、
日本が最後に出て行っても農業問題などで交渉がなかなか進まない可能性が
あります。出遅れると日本にとって非常にまずいので、なんとかしないと
いけないでしょう。

前回の話も含めて、韓国の対外的な貿易戦略は日本にとって、参考にすべきところが
多くあります。例えば、日本がＴＰＰを前に進めていく上で一番大きい問題の一つは
農業問題で、日本の農業従事者の反発が大きいのですが、韓国でも同じことが起こっ
ています。韓国にも与党と野党があり、農業問題も侃々諤々議論をしてきましたが、
韓国と日本の大きな違いは、韓国の与野党双方が超党派的に韓国はどうあるべきか
ということから共通項を考えようという機運が高まり、結局アメリカとのＦＴＡに
ついては収斂する方向で事実上妥結したと考えてよいでしょう。

日本の場合にも、現在のように与野党が党利党略に終始して互いに批判しあうだけ
ではなく、あるべき真の日本の進路という超党派的な立場からの、もう少し高い
レベルでの議論をすべきであり、現状には苛立ちを感じます。



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         <category>永池克明教授</category>
         <pubDate>Tue, 21 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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      </item>
            <item>
         <title>韓国の輸出入動向（国際企業戦略／永池克明）</title>
         <description>
日本の2011年の貿易収支は31年ぶりの赤字で、その規模は過去２番目でした。

貿易収支は輸出入の差額です。これが大赤字でしたが、東日本大震災に加え、
超円高でした。それに、欧米、最近ではギリシャ、イタリアの財政問題で欧米
に対する輸出が減少しました。他方、原子力発電所の停止で、火力発電用の
液化天然ガス（LPG）などの輸入が大きく膨らみました。原油の価格も上がり、
それらがダブルで効き、日本は戦後貿易立国を掲げて輸出に依存してきたという
歴史をもつ国でしたが、その先行きに不透明感が増しました。31年前の1980年の
貿易赤字も第一次第二次オイルショックというエネルギー関連が理由でした。

一方韓国では、日本と対照的に輸出入が好調で、輸出入ともに5000億ドルを突破し、
貿易収支も333億ドルの黒字になりました。ラスベガスでCES（Consumer Electronics Show）
という家電の世界的見本市が開かれますが、これに関連して「飛躍する韓国、
躍動する中国、地を這う日本」という記事が掲載され、ちょっと悔しい思いを
しています。韓国の輸出が好調だったのは、欧米など先進国の景気が低迷して
輸出は鈍化したのですが、ASEANなど主要新興市場や中国向けの輸出が拡大し、
さらに日本向けの輸出が大幅に増加したことがあります。

日本向けの輸出は、震災の影響で発電機や照明機器などの機械類が一時的に不足し、
サプライチェーンが麻痺したこともあり、それを補う為に機械類、自動車部品、
スマートフォン、それからミネラルウォーターなどの救援物資の輸出が大きく
増えました。それに円高ウォン安で韓国の国際競争力が向上したこともあります。
同時に韓国の貿易に対する姿勢ですが、日本以上に国内市場が狭隘ですから、
海外に市場を求めざるを得ない宿命の国ですから、政府もこぞって輸出を強力に
後押しています。

自由貿易協定（FTA）については、韓国は既に７つの国とFTAを結んでいて、これら
７つの国に対する輸出の全貿易に占める割合は２倍に伸びました。やはりFTA締結に
よる輸出増も大きな寄与を示し、国を挙げての開国政策の成果が出たと言える
でしょう。

さらには去年アメリカとFTA発効が決まり、具体的には今年からその効果が出て、
さらに寄与することが予想されます。最近一か月の輸出はちょっと鈍化し懸念も
ありますが、これは欧米の景気が一段と低迷していることが原因の一つで、基調
としては輸出は今後も好調を持続できる感じがします。

日本も２月１日に、アメリカとTPPの政府レベルの実務レベル交渉を開始しよう
という動きが出てきました。事前協議ですが、成果を期待したいと思います。
通常はこの政府の実レベル交渉から始まり、今後、色々なレベルの交渉が行われ、
発効するまでは少なくとも半年以上の日数がかかると思われます。


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         <category>永池克明教授</category>
         <pubDate>Mon, 20 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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         <title>映画で学ぶ経営学（10）　野球映画に学ぶ（経営学／久原正治）</title>
         <description><![CDATA[<B><font color="Blue">■アメリカの野球、日本の野球</B></font>
野球映画は、組織を考えるのにためになり、また同じ野球でもアメリカと日本で随分異なることからわかるように、アメリカの経営と日本の経営を比較するのにも面白い題材です。

去年の11月、ニューヨークタイムズにボビー＝バレンタインがボストン・レッドソックスの監督に就任するというニュースが大きく出ました。彼はロッテ・マリーンズで、多くの日本人の心をつかみました。日本へ来た当初は日本語もできませんでしたが、そもそもアメリカの有名な監督でしたから、マリーンズをチャンピオンに導き、本人は正力賞も取りました。観客動員数も四倍にもしました。

彼は、日本的なチームワークとアメリカ的な合理主義をうまくミックスした非常に優れた監督でした。その監督が、今度はアメリカに帰ってきて名門チームのボストン・レッドソックスを率いることになり、世界で一番の監督であるとして、大きなニュースとなりました。日本とアメリカの両方を経験することで、彼は最高の監督といわれるようになることができたわけです。

<B><font color="Blue">■アメリカ的球団経営のマネーボール</B></font>
最近の野球の映画といえば、アカデミー賞の六部門にノミネートされている『マネーボール』があります。ブラッド＝ピットが演ずるビリー＝ビーンが、弱小球団であるオークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャーに就任します。日本でも、オーナーとゼネラルマネージャー、マネージャーがいますが、日本ではその役割は少し違います。

オーナーとは、会社の野球球団の所有車であって、投資家です。ゼネラルマネージャーは、オーナーのもとで全権を握り、資源、特に優秀な選手を雇うなど人材の配分を行い、球団経営全体を見ます。監督は、現場でチームの采配をします。そのブラッド＝ピットふんするゼネラルマネージャーが、非常に優れた方法で弱小球団を強くしたというのが、この映画です。アメリカでは非常に合理的な野球の球団経営がされてありますが、日本ではどちらかというと昔ながらの親分子分的な経営が行われているということが言えます。

選手の採用については、大量のデータに基づいてなされています。セイバーメトリクスという統計学的な方法を使って、市場での報酬が割安で、なるべくホームに何度も到達した選手、つまり得点を多くあげる選手を探してきます。最初は球団内で皆から批判されますが、これらの選手達が活躍し始めて、結果的にチャンピオンになるという話です。ホームランや打率ではなく、とにかく塁に出てホームを踏むかどうかという点を重視しています。

また、ゼネラルマネージャーの補佐の役を怪優ジョナ＝ヒルが演じます。彼はアメリカの超一流大学を出て、統計学を理解していますが、野球は全くわかりません。ブラッド＝ピット扮するGMは彼を全面的に信頼し、彼が言うとおりに選手を雇っていきます。ある選手をクビといえば、すぐにその日からクビとなりますし、雇うことになれば、すぐに電話して、翌日には前の球団を辞めてやって来ます。このアメリカの球団における人材の流動性のすごさについても、映画の中でぜひ見ていただきたいところです。

映画を見ていても、チームワークというものはあまりでてきません。このことからアメリカの野球は、チームワークのゲームではどうもなさそうであるということがわかります。

<B><font color="Blue">■人々に夢をもたらす野球映画</B></font>
もう一本、野球の映画というと、『フィールド　オブ　ドリームス』が有名です。キンセラという作家の小説『シューレス＝ジョー』に基づいて、ケビン＝コスナーが作ったものです。第62回のアカデミー賞にノミネートされました。私はアメリカに駐在している頃に、舞台となったアイオワの田舎の球場へ車を運転して見に行きました。

この主人公シカゴ・ホワイトソックスの名選手シューレス＝ジョーは、結局八百長でクビになってしまいます。映画ではこのシカゴ・ホワイトソックスの有名だった選手達が幽霊となって出てきて、このアイオワの田舎の球場で野球をしてくれるという話で、野球ファンには耐えられないほどいい映画です。

経営の視点から見ると、球団はこういう夢をもって経営していかなければいけないと思います。この映画を見ていると、日本もアメリカも、そこは違わないという感じがします。
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         <category>久原正治教授</category>
         <pubDate>Fri, 17 Feb 2012 10:00:00 +0900</pubDate>
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