2006年12月21日 08:20
新聞各紙における大学関連記事のインパクト (産学連携/高田)
最近では産学連携という言葉も
随分市民権を得た観がありますが、
今日は産学連携を
もう少し幅広く捉えたお話しをいたします。
例えば、大学関連の記事というのは、
新聞紙面において一体全体
どのくらい取り上げられているのでしょうか。
■ 今や広報は大学の重要な戦略
国立大学が法人化し、各大学とも
意識的にメディアへの露出を増やしている傾向にあります。
今や、広報というものは大学にとって
非常に重要な戦略となってきているのです。
九州大学もまた、メディアで随分取り上げて頂いています。
それでは一体、どのくらいの量が、
どのような内容で取り上げられているのでしょうか。
実はこれまで、具体的な内容を
詳細に調べた例がなかったということで、
私はこれを昨年度一年間について調べてみました。
かなりの労力を要しましたが、
その結果面白いことが分かりました。
■ 九州大学関連の記事は1年間で約750回
まずは昨年4月から今年3月までの
朝日、読売、毎日、日経、日刊工業、
そして西日本の6紙から、九州大学関連の記事を
全てピックアップしてみました。
その結果、なんと1年間で750回近く
掲載されていたことが明らかとなりました。
次に、それは九州大学の
どの部局との関連が強い記事なのか、
例えば工学部関連なのか、
あるいは法学部関係なのか、
ということを調べてみました。
その内訳を見てみると、
全学に関連する記事、
例えば総長の発言だとか、
入試を行ったといった内容が
全体の21%を占めていました。
次に多かったのは医学部関連の記事で17%。
病気や健康というのは市民にとって
非常に身近な話題ですから、
医学部関連の掲載率が
高くなったのではないかと考えられます。
それに続くのが新しい伊都キャンパス関連の記事でした。
去年はちょうど伊都キャンパスが
オープンした年だったということで、
これに関する記事が15%を占めています。
さらに、工学部と理学部関連の記事が続き、
それぞれ6%となっています。
尚、工学部関連の記事で特に多かったのは、
新キャンパスオープンと同時にスタートしている
「水素ステーション」関連のものでした。
これは、燃料電池や水素社会に必要な
インフラ技術について研究するステーションです。
また、理学部関係の記事で多かったのは、
平成17年3月に発生した福岡西方沖地震を解説するものでした。
■ 広告費換算で10億円の価値
さらに、記事の面積を一つ一つ測定し、
広告費に換算することによって、
一年間でどのくらいの経済価値を持ち得たのか
ということについても調べてみました。
その結果、驚くべきことに、
なんと10億円もの価値があることが分かりました。
民間の企業などはブランディングや販売促進目的で、
莫大な費用をかけて新聞紙上に
色々な広告を掲載しているわけですが、
九州大学の場合、10億円分の紙面を
各新聞に割いて頂いているということになり、
大変恵まれた状況にあることが分かりました。
■ 全国と地域でのバランスの取れた広報が重要
しかしながら、一つ問題もあります。
それは、全国版での掲載率が非常に低く、
全体の15%以下となっていることです。
つまり、九州大学に関するニュースというのは、
福岡地域ではニュースになるけれど、
全国、例えば東京や関西までは
届いてないということなのです。
こういったことから、私も
九州大学の広報戦略について
少し提案を行っています。
今回の調査を通して感じたことですが、
全国版への露出、掲載といったものを
増やす為にはどうすればいいのか、
同時に、地域と身近な繋がりが意識できるような
情報提供とは一体何なのか、
こういったことを考えながら、
バランスよく戦略を展開していくことが
重要なのではないでしょうか。
尚、この調査は今年度も継続しています。
昨年度と比較して
どうなっているのかということで、
現在数値を整理しているところです。