2007年04月12日 07:40
中国のビジネススクール事情 (産学連携/高田)
先日、1週間かけて
中国のビジネススクールを訪問してきました。
今回はこれに関してお話しします。
■日中に見るビジネススクールの違い
中国では現在、
ビジネススクールが活発化しています。
日本と中国のビジネススクールとの違いはまず規模にあります。
大学によっては、
1000人以上の学生を抱えている場合もあり、
QBSの在学生が2学年で約100名であることと
比較するとその大きさは歴然です。
また、受験にあたって3~5年のビジネス経験を
持つことが条件の一つになっています。
中国は建前上は社会主義の国ですが、
国民の気質も含めて実質的には資本主義の国ですので、
欧米並みのビジネススキルを持つことが重要になってきています。
このことがビジネススクールの活性化の背景にあるようです。
訪問したビジネススクールでは、
欧米のビジネススクールにあるような階段状の教室で、
活発なディスカッションの中で授業が行われていました。
また、IT施設や学生寮も充実しており、
学生は希望すればキャンパス内の寮に住むことができるなど、
環境面ではむしろ日本の大学よりも優れているという印象です。
中国のビジネススクールは、
早い段階で欧米のビジネススクールとの提携し、
交流を通じて、教育カリキュラム体系の導入や
そのレベルアップを図っています。
また、提携するビジネススクールのレピュテーションを
うまく使いながら自身の国際的な評価を獲得することに
非常に熱心なのも特徴です。
■中国MBA教育の現在
アメリカの多くのビジネススクールにて
提供されているプログラムの一つに、
エグゼクティブMBA教育というものがあります。
これは40半ば~50前半のビジネスエクゼクティブに対して、
レベルの高いビジネス教育を行うものです。
これはビジネススクールにとって
大きな収入源になるということから、
中国のビジネススクールもそのような
エグゼクティブ・コースを提供しているところが多数あります。
例えば、
ある大学では、18ヶ月に渡って
毎月1週間のペースで必要科目を履修するという
エグゼクティブ・コースを提供しています。
そこでは、第一線のビジネスリーダー
からのレクチャーやグループディスカッションなど、
様々なプログラムが提供されています。
中には、軍と連携して組織の規律、
判断や指示の出し方といったことを学ぶという科目もあります。
では、
中国のビジネススクールを修了した学生が、
ちゃんとキャリアアップできているのかというと、
訪問したビジネススクールの教員らの話では、
中国国内のビジネススクールを卒業しても
外資系企業に就職できる人は少なく、仮に就職出来たとしても、
重要な役職に就けるケースはまだ多くないそうです。
やはり、欧米企業は
欧米のビジネススクール出身者が占めており、
中国のビジネススクール出身者は、
中国国内の企業に管理職として入り、組織の構造改革や
適切な成長の舵取りといった仕事に携わることが多いとのことです。
■QBSが目指すビジネススクールの日中交流
QBSでは、既に複数の
中国重点大学のビジネススクールと提携し、
東アジアの成長を支える人材の育成を試みています。
例えば、交換留学プログラムとして、
昨年の秋から、6人の中国のビジネススクールの学生が、
半年間QBSで学びました。そして、現在は
3名のQBSの学生が中国のビジネススクールに留学しています。
また、3月にはQBSの7、8人の学生と数名の教員が
大連の東北財経大学との間で交換授業やディスカッションを行うなど、
具体的な交流を展開しています。
日本と中国の
ビジネススクールの提携には、相互に大きなメリットがあります。
中国に進出する日本企業は、日本語で対応可能な
現地の有能な管理職や経営人材を必要としています。
また、中国企業から見ても、
日本のビジネス慣習が分かる人材が必要です。
そこで、日本と中国のビジネススクールが一緒に
そのような人材を育てるというニーズは
潜在的に高いのではないかと思います。
今後も中国のビジネススクールと提携や交流を重ね、
日中のビジネスアライアンスの架け橋になる人材を
育てていきたいと思っています。