2006年06月14日 08:20
中国ビジネスでのコネや契約には要注意 (中国ビジネス/永池)
サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会で
観戦ツアーを募集していた旅行会社「マックスエアサービス」が,
観戦チケット約1200枚が確保できず,
観戦ツアーを中止しました。
チケットの入手予定先は中国の旅行会社。
なぜこんなことが起きたのか,その理由はいくつかあると思います。
■その1 FIFAの正規ルートを使わなかったこと
1つめは,正規ルート以外でチケットを入手しようとしたことです。
これまでのW杯でも,チケット販売のトラブルがいろいろとありました。
このため今回のドイツ大会では,チケットの販売ルートを非常に厳格にして,
窓口をFIFA(国際サッカー連盟)の組織委員会に一本化したのです。
手続きも非常に厳格化している。
それ以外の方法は基本的に認められていません。
■その2 知人の紹介や政府系であることで安心してしまったこと
また,マックスエアサービスの社長さんの説明では,
知人の紹介があり,しかも中国の政府系の旅行会社であるということで,
安易に信用してしまったこと。
教訓としては,中国との取引では
コネや政府系ということを過度に信用してはいけないということです。
政府系といってもその人がどこまで職務権限を持っているのか,
どういう地位の人なのかを確認すべきです。
官僚社会では権限以上のことは出来ないわけですから,
口約束で大丈夫だと言われても易々と信用し、
お金まで払ってしまうのはまずい。
二重,三重のチェックが必要です。
■ その3 契約に対する考えの甘さ
3つめには,契約についての考え方の甘さがあります。
後で述べますが,
中国では契約に対する認識は日本とかなり違っています。
それにもかかわらず,マックスエアサービス社は,
日本,欧米の常識論で契約を考えてしまった。
この認識の甘さや安易に相手を信用しすぎてしまったことで
今回のようなことが起きたのではないでしょうか。
■ 中国での「契約」は要注意
改革開放後,特にWTO加盟以来,
中国は従来の「人治主義」から「法治主義」へ国を挙げて
法制度の整備,充実に努力しています。
国際ルールにそったビジネス法が整備されつつありますが,
まだ全体には徹底・普及していません。
また,政府から次々と法令が発表され朝令暮改の状態です。
専門家ですらそれに追いついていくのに大変な努力が必要です。
また,法の整備が充実してきているとはいえ,
中国の法制度は先進国に比べると非常に遅れています。
例えば,司法試験が始まったのはごく最近のことです。
日本でいう裁判官,弁護士が育ちつつありますが,
まだとても充分とは言い難い。
現在の中国は新しい法律と,
昔からの商習慣とが混然としている状態といえます。
そのためか,中国人の契約についての認識は一般的に浅く,
これまでにもいろいろな不祥事やトラブルが起こっています。
例えば,偽の印鑑を使った契約書や,二重契約書みたいなものもあります。
そのほかにも様々なケースがあります。
また、仮に、裁判をおこしても地元に有利な判決が出ることも多い。
中国でビジネスをするとき,
契約に対する認識の違いがあることを知るのは非常に重要だと思います。