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2007年04月23日 07:40

企業の国際経営と多国籍化(1) (国際経営/星野)

今日と明日の2回は、
企業の国際経営と多国籍化について
お話ししたいと思います。


国際経営とは、
生産、販売、調達、
研究開発、サービスといった
企業の経営活動を国の枠を超えて行うことです。
国を超えた販売というと輸出のことになり、
調達とは輸入のことです。
このような活動のことをいいます。


■日本からの輸出
日本には古くは
陶磁器、玩具、時計とか、
その後でいうと繊維、機械、
自動車、家電製品などといった
非常に輸出比率の高い産業があります。
現在であれば、海外での生産は
ますます増加しているように見えますが、
いまだにキヤノンは
国内で生産される製品の85%を輸出していますし、
マツダだとか任天堂でも8割近い製品が
日本から輸出されています。


■海外ビジネス参入のリスク
海外とのビジネスに
参入することには、様々なリスクが伴い、
また大変な手間がかかると言っても良いかと思います。
国内で生産し、国内で製品を販売することでは
考えられないような問題に直面することになります。
言語の問題、あるいは契約や交渉に伴う
様々な問題、商習慣の違いだとか、
あるいは文化や法律などの違う国で
事業を行うことの大変な障害が考えられます。


日本人でしたら
口頭で納得しあっていたことが
例えば海外では、
「契約の条項にはありませんよ」
ということになったり、中国などでは、
販売した代金の回収に悩むことや
中国国内での法律の適用や解釈の仕方などに、
日本の企業が翻弄されているという
ケースも珍しくありません。


■国際経営のステップ①
そのような中、
日本企業に必要とされることは
どのようなことでしょうか。それは、やはり
国際経営のノウハウを得るということになります。
しかし、そのノウハウを得るまでには
様々な経験を積んでいかなければなりません。


まずは、国内だけで
事業を行っていた企業が
海外との関係を持つというプロセスがあるのですが、
例えば、国内で販売していた企業が、
自社の製品を輸出しようと決断するに至る経緯には
どのようなものがあるでしょうか。


例えば、国内で非常に多くの
競合するライバルがいる、あるいは、
ほとんど国内の市場で顧客に
商品が行き渡った場合などがあります。
市場の競争環境や商品の浸透、
あるいは生産余力が出て
それを輸出に振り向けようと考える、つまり
海外に新たな市場を開拓するケースもあります。
さらに、より沢山作ることによって
製品の単価を下げるなど、企業の
規模の経済性を高めようという意図で、
輸出に積極的になるということになります。


中には日本で使われているものと
ほとんど変わる事なく
商品を輸出できるケースもあります。
例えば、台湾では日本人と同じような
食習慣を持つので炊飯器が輸出できる。
あるいは右ハンドルの車がそのまま
通用する国であればそのままの形で輸出できる。
まずはこのようなことから始まります。
つまり、日本の嗜好や利用環境などに
類似性のある国に輸出する事などが
始まりとなります。


次に、販売を目的として
現地に販売網を作ることが考えられるかと思います。
またそれを修理やサポートをする為の
体制を作る必要も出てきます。


■国際経営のステップ②
ほぼそれが行き渡った後、
次に出てくるのは、やはり
現地生産ということになります。
例えば日本から輸出する場合には、
為替の変動や輸送するコストなど、
様々なコストがかかります。
それを考えれば、
機械や自動車などの大きな製品であれば、
現地で生産した方が良い
というケースが出てくるのです。


さらに、もっと大きな現地生産の
促進要因としては政府の規制というのがあります。
例えば、かつて日本でも
アメリカ向けの繊維、鉄鋼製品や
自動車などには、様々な貿易障壁がありました。
それは高関税、輸入制限、
あるいは自主規制などというものです。
それらのさまざまな規制の中で、
日本から輸出が出来ないのであれば
現地で生産に切り替えようという
動きも出てくるわけです。


現地化をする事によって
現地での雇用が拡大するなど、
様々なメリットが現地にも
もたらされるわけですから、
輸出に比べて現地で生産するということは
進出国とっても非常に意味のあることとなります。


しかし、そう簡単に
スムーズにいくという事ではありません。
先程、例えば右ハンドルの車を
そのまま輸出できる国を例に挙げましたが、
もちろんアメリカのように左ハンドルの国では、
そのまま輸出はできません。
あるいは日本人のお客さんとの嗜好が違う、
求めるスタイルが違うとなれば、
やはりアメリカ向けの車を作らなくてはいけない。
そうすると、次のステップとして、
そのような研究開発も現地で行うということが
生産の次に出てくるのです。
現地化の進展です。


さらにはメンテナンスなどを
いかにきちんと
フォローできるかという事も重要です。
本格的な販売のためには、
修理、あるいは点検、それだけではなく
自動車ローンを組むための金融会社まで
自社で現地に作らなければならない
ということになってきます。


■国際経営の目的
そもそもは、
輸出から始まって、
次から次に進化していく中で、
自社の戦略とのバランスを考え、
最も良いやり方は何なのだろうということを
模索するということになります。


例えば一つの例ですけれども、
中国は世界の工場といわれ、
もともと日本企業も含めて
中国に進出した目的というのは
安くモノを生産するためだったわけです。
しかし、今や中国は
巨大な市場であることを理解して、
世界の工場から世界の市場として、
現地で販売するための目的に
変わってきました。


最近は、BRICs(ブリックス)といわれる
ブラジル、ロシア、インド、中国の4国が
話題に上ることが多いですが、
この4国は世界人口の4割強、
約26億人の人口を擁しています。
この巨大な市場は、生産と販売の両面から
企業にとって非常に魅力的で、
こちらのカントリーリスクの高さを理解していながらも、
やはり、現地で生産し、販売することに
注目する事になるのです。


事業活動の
多国籍化の進展ということになりますが、
企業の国際経営も
常に変化をしていることになります。

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