2006年07月05日 08:20
九州地場企業の中国進出人材不足 (アジア/永池)
最近の九州経済産業局の
地元企業アンケート結果を見ると、
九州の地場企業が中国に進出しようにも
社内に人材がいない。
社外で採用をしようとしても、
なかなか見つからないと書いてあるが
これはどういうことですか?
中国には人材は山のようにいると思うが。
■ 日本企業が直面している中国での人材不足
この場合の人材というのは、
有能はホワイトカラー人材のことです。
今、中国では、九州の企業だけでなく、
既に中国に進出している日本企業の殆ど全てが、
人材不足という問題に直面しています。
言ってみれば、今、中国は全国規模で
ホワイトカラー人材の争奪戦が起こっていると言っても
過言ではありません。
日本企業は資金力や技術力は非常に強いのですが、
人材の取得という点では、
苦労している企業が多いと思います。
■ マネジメントの分かる人材の不足
確かに、中国の人口は多く人間もたくさんいます。
その中で今問題となっているのは、
現地の有能なホワイトカラーの不足です。
中国でのビジネスは、
「どうものを造るか」から
「どう中国市場に売るか」に変わりつつあります。
これまでのように、ただものを造ったり、
単純労働をするだけで良かった人材では
もう通用しなくなってきているのです。
今求められているのは、
経営管理、マーケティング、販売、研究開発など
マネジメントが出来る人材です。
しかし、そういった人材を確保することが
なかなか難しいという問題があります。
■ 中国で日本企業が嫌われる理由
もちろん、中国にもマネジメントの分かる人や
専門知識を持つ人達はいます。
しかし、欧米の企業や地場の企業が、
そういった人材をかなりの数で採用し、
日本企業にはなかなか人が回ってこない。
言い換えれば、
日本企業は現地の大卒の人々に
あまり人気がないといえます。
人気のない理由は、
昇進や給与の問題があります。
中国の日本企業では、
上層部や幹部のポストは
ほとんど日本人が押さえているため、
現地で採用された中国人にとって、
将来の昇進の見通しがたちにくい
という評判があります。
また、日本企業は年功序列型なので、
欧米に比べて給与とボーナスが一方的に低いことも
人気のない理由です。
(もっとも、こうした傾向は
最近日系企業でも改善されつつあるのですが)
2つめの理由には、一般に中国の大学では
非常に欧米指向が強いため、
第二外国語として英語を勉強する人が圧倒的に多く、
中国で日本語をしゃべれる人は少ない。
中国の日本語人口は、
全大学で1%程度といわれています。
ところが、日本企業では日本語を重視するため、
なかなか採用がうまくいきません。
3つめには、
日本企業は自分の企業をアピールすることが下手で、
経営戦略、イメージ、魅力を充分に伝えてない
ということが多分にあると思います。
欧米企業はその辺が非常に上手で、
広報活動を積極的にやっています。
中国の現地大学とのパイプも非常に強く、
欧米企業には、
大学関係の専門部署を設置しているところもありますし、
大学に寄付したり、
学生に奨学金を出すなど、
いろいろな社会貢献活動をしています。
日本企業はその辺がまだ不十分というか、
下手なところがありますね。
■ 九州企業が中国進出するときにどう人材を確保するか
それでは、九州の地場企業が
これから中国に進出する場合にはどうすればよいか。
まず人材については、
現地で採用することも大事ですが、
今、中国から九州に留学している優秀な学生を確保することが
一番よいと思います。
彼らは九州のことや、
日本の経営のことをよく知っていますし
日本語も出来ます。
経営の専門知識を身につけた学生であれば
尚更良いといえるでしょう。
あとは中国の学生で、
現地の大学を卒業した学生や、
欧米から帰ってきた学生を採用するのもよいでしょう。
つまり、日本語にこだわらず、
採用の間口を広げるということです。
その為には現地の大学とつながりを持っている
地元九州の大学や
自治体の協力を得ることも大事だと思います。
それから、中国進出の際には、
日本的な経営の良さを維持しながら、
同時に現地に合った経営形態を
うまく作り上げていくという努力が必要です。
今、一番求められているのはそれかもしれません。