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2006年06月06日 08:20

「やる気」と「能力」 どちらが買いか? (人的資源/古川)

新人の採用にあたって、
「やる気にあふれた人」と「能力に長けている人」がいるとすると、
人事はどちらを採用すべきか。

両方を備えた人物の採用が望ましいことは言うまでもありません。
しかし、あえて二者選択を迫られると、これはなかなか悩ましい問題です。

この記事を読まれる方の中には、採用選考を進めてきて、
いよいよ内定を出そうとしている企業の人事の方もおられるかも知れません。
今回はこの問題について考えます。


■ 「やる気」と「能力」のどちらを買うかは、仕事のタイプに依存する

「やる気」も「能力」の一部と考えてよいのかもしれませんが、
ここでは両者を区別することにしましょう。
やる気とは、
仕事に一生懸命に取り組み、頑張ることですが、
これは時々で移ろい、変化します。
人間は誰でも、
頑張る気持ちが非常に高まる時もあれば、
逆に萎えてしまうこともあります。
かなり気まぐれです。

一方,能力というのは知識やひらめきやまとめる力などを言います。
これは比較的に安定したもので、
コロコロと変わるものではありません。これは重要な点です。

今回の問題を考えるにあたって考慮すべきことは、
携わる仕事における「能力」の必要性についてです。
仕事のタイプによって違います。


■ 「やる気」が決め手となる仕事

仕事は、大きく2つに分けることができます。

ひとつは、今まで取り組んできた経験があり、
進め方もやり方も見えているような仕事です。
会社としても実績があることから、
効果的な方法が分かっているような仕事です。
マニュアルなども用意できるような仕事です。

これに加えて、短期決戦で行うような仕事では「やる気」がものを言います。
意欲を持って、元気に取り組めば、ほぼ確実に結果がついてきます。


■ 「能力」が決め手となる仕事
もうひとつは、これまで取り組んだことのない仕事、新規の仕事です。
そういう新たな仕事では
必ずしも既存の方式や方法というものが通用するとは限りません。
最近の仕事は、従来の仕事とはかなり趣が違ってきています。

今までの経験やひらめきを総動員して新たなアイディアを捻り出したり、
新たな方法を創案することが必要となってきます。
そういう仕事では、やる気だけでは歯が立ちません。
「能力」というものが不可欠となってきます。


■ 問われている能力とは
無論、一口に能力といっても幅広く色々な能力があるとは思います。
以前は能力というものは
知能や学歴といったものだけで測られていたように思います。

しかし最近は違ってきています。
たとえば知能という潜在的な能力をうちに秘めていても、
それを表に出さなければ意味がないと言われ始めています。

重要なのは外に出せる、行動に出せる能力です。
浮ついた形ではなく泰然として、
着実に行動に出して仕事を進めていく能力というものが問われています。


■ 「やる気」と「能力」、それぞれの見極めについて

「やる気」は外に出るので見えてきそうなものですが、
その見極めは決して易しくはありません。
その意味で慎重に行うべきでしょう。

かつての一時期は、面接などにおいて、
個性が大切ということから、一芸に秀でている、
何か非常に特徴がある、
あるいは瞬間芸が出来るなどのような人物を採用していました。
「やる気」を最重要視した風潮があり、
それはそのような面接をすることで
見抜くことができると考えていたためと思われます。
このような傾向は、大学入試においてもあったように思います。

ところが多くの企業が反省するに至ります。
仕事は毎日のことであり、短期決戦で終わる訳ではない。
必ずしも瞬間芸だけでは通用しない。

例えば、トップセールスの方がおられます。
そういう方は口達者で
色々なことを精力的に取り組んでいく人のように思われがちですが、
意外にも物静かな人であったします。
必ずしも「やる気」がムンムンと横溢している感じでもありません。
セールスに必要とされる知識や能力を確実に保持し、
それをタイムリーに表に行動として出せる人たちです。

確かに、能力は個人の内に秘められたものです。
そのために人の能力をどのように見極めるかというのは
なかなか難しい問題です。

企業の人事の方が持つべき視点としては、
志望者が、日頃から自分が取り組んでいる活動を
どのように整理して過ごしているか。
特に、新卒の学生の場合は、仕事をしたことのない人達ですから、
学生時代に自分の経験したことをどの程度うまく整理し、
そこから教訓を見つけ出しているか。
自分自身が取り組んだことを意識化し、自覚してやっているか。
それらを面接において見届けることが重要になります。


以上

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