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2006年07月12日 08:20

中国企業の外国企業買収、やがて九州地場企業も視野に

去年,中国の大手コンピュータメーカーの
レノボ(聯想集団)がIBMのパソコン部門を
巨額な資金をつぎ込んで買収しましたね。
中国が,アメリカ企業だけでなく,
日本企業,ヨーロッパ企業も買収し始めた狙いについて,今日はお話します。
九州の地場企業にとっても他人事ではありませんから。

■ 中国の地場企業の現状
今、中国は,世界中の企業の買収を考えています。
中国ではWTO加盟(2001年)以来,
世界中の強い企業が中国のマーケットに参入しており,
世界で最も厳しい競争市場になっています。
その中にあって,中国の地場企業は
まだ技術力や製品開発力に弱く,
儲けの少ない単純組み立て生産の分野を担当せざるを得ません。
その結果、中国企業同士の
過当競争→価格競争→収益悪化に陥っています。


同時に,安い製品を
アメリカやヨーロッパにどんどん輸出した結果,
相手国との間で深刻な貿易摩擦が
発生し,問題になっています。
 

■ 企業買収の二つの目的
こういった状況を打開するため、
中国政府は国家戦略として
有力な地場企業に積極的に
海外市場に打って出て,力を付けなさいと
ハッパをかけています(「走出去」政策)。狙いは2つあります。


第1の狙いはレノボが
IBMのパソコン部門買収したように,
相手企業が持つ現地でのブランド力や販売力,
人材,経営ノウハウを一挙に獲得し,
販売シェアを上げて,存在価値を上げる。


第2の狙いは技術を買う。
これは特に日本企業買収に多い例です。
技術力の高い中堅企業を買収して,
そこの熟練工,技術者やものづくりのノウハウを丸ごと獲得する。
これによって技術力格差を一気に埋めて先進国に追いつくということです。


■ 日本企業「アキヤマ印刷機製造」を買収した成功例
日本の企業を買収は,主として技術が目的です。
最も典型的な例は,関東にある印刷会社、
アキヤマ印刷機製造があります。
この会社は1台数億円する高級特殊印刷機メーカーで,
世界的に見ても知る人ぞ知る非常に高い技術力と
それを可能にする熟練労働者を有していました。

ところが10年来の不況の影響もあり,
売った商品の売掛金を回収出来ず,
大量の焦げ付きが生じて,結局,民事再生法適用の会社となりました。


■ 買収による技術力の獲得
同社は売却先を探したのですが,
不況で日本の企業の買い手は現れず,
結局、上海電気集団という中国の大手国有企業が
これに目を付け,技術力と熟練労働者を丸ごと獲得したわけです。
しかも既に首を切られていた
高齢の熟練工も雇い直し,リストラなしで
生産を上げていきました。同時に、
それまで係長クラスだった若い人材を
工場の最高責任者に抜擢(ばってき)し,
抜擢人事と能力主義によって業績を急回復させています。


中国の国有企業ですから
中国国内の販売には非常に強いわけで,
主として中国市場に売りまくり,売上を伸ばしていきました。
同時に熟練技術を習得する為,
中国からたくさんの研修生を工場に送りこみ,技術を習得させています。


■ 世界がひとつのマーケットになる。九州地場企業も更なる経営能力アップを。
中国の企業買収は,
九州,もちろん福岡にも及んでくると思われます。
高い技術はあるが経営がうまくいっていない、
あるいは後継者がいない地場企業などが標的になるでしょう。
グローバリゼーションが進む中で,
欧米の企業は以前から日本企業の買収を行っています。
それに中国が加わったということです。
世界中が1つのマーケットになり,そこでビジネスの戦争をする。
ですから,強いものが弱いものを呑み込んでいくということです。


それが中国企業であっても,
買収された会社が雇用も維持されて,
さらに発展していけば問題はないと思います。
これはもう競争ですね。
買収されたくなければ、
会社経営の能力をもっともっと
上げていかなければならないということだと思います。(下図参照)


中国企業による日本企業の買収・出資の主な事例とその狙い(2001年以降)


中国側企業日本側企業投資形態と目的
嘉楽グループチャレンジ・ジャパン買収。アパレル製造・販売拠点として利用
広東美的集団三洋電機買収。電子レンジの基幹部品の製造事業部門買収
上海電気集団アキヤマ印刷機製造買収。特殊印刷機製造の技術とブランドを獲得
上海創斯達熱交換器鈴木接点工業買収。精密プレス加工技術を入手して製造した自動車部品を自動車メーカーに販売
盛大ネットワークボーステック出資。ゲームソフトノライセンスを入手。
三九企業集団東亜製薬買収。東亜製薬の店頭用薬品の製造承認と漢方薬の商品化ノウハウを入手
上海電気集団池貝買収。製造技術と製品開発力を入手
(注)各種報道記事を元に作成

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