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2006年07月28日 08:20

消費者金融の金利 (村藤/財務)

先日ゼロ金利政策が解除され、
銀行の中には金利を上げるところが出てきています。
そんな中、消費者金融の金利は
逆に下げる話をしています。
今日はこの消費者金融の金利について
お話ししていきたいと思います。


■ 議論の現状と今後の見通し

政府や自民党は、
日銀の金利の話とはまったく無関係に、
消費者金融の金利を下げる方向で
色々な議論を詰めているところです。


金融庁の有識者懇談会に続き、
自民党の金融調査会や
貸金融業制度に対する小委員会などで、
概ね合意が取れつつあります。
現在金融庁など関係省庁に
8月後半までに具体案を作るように求めています。
見通しとしては秋の臨時国会か
年明けの通常国会あたりに提出する予定で、
ここで消費者金融の金利引き下げを
確定しようという方向になってきています。


■ 出資法と利息制限法

そもそも、消費者金融の金利というものは、
利息が非常に高かったのです。
金利に関する法律の中に
出資法と利息制限法というものがあります。
出資法においては29.2%が
貸出金利の上限になっています。
これを超えて金利を貪る貸金業者は
「ヤミ金融」と呼ばれ、
刑法での取り締りの対象となってきます。
「ヤミ金融」は所謂アウトローで、
ばれないようにこそこそと金融業を営み、
捕まったら牢屋行きという貸金業者です。


一方、利息制限法では10万円未満だと20%、
10万円から100万円だと18%、
100万円以上だと15%というような
金利が設定されています。
これまで普通の貸金業者らの多くは、
29.2%よりは低い金利、
しかしながらこの利息制限法よりは高い金利で
貸し出しを行ってきました。


利息制限法により上限が決まっているのに、
どうしてそれ以上の金利をチャージしていいのか
というあたりが問題です。
彼らの言い分は、
借り手が自分で勝手に借りて
勝手に返すのだからいいじゃないの
というものでした。
実際、法的にも、過去には、
自ら払った場合は返還請求できないとされてきました。


しかし、近年の裁判所の判決により、
利息制限法以上の金利を取ってはいけない、
取った場合、
超過分の金利返還を求められたら
応じなさいという判例が積み上がってきました。


こういった動きの中で、
貸金業者に対し、出資法の29.2%でなく
利息制限法の金利まで
下げさせようと話になりつつあるのです。


■ 多重債務者と自己破産

世の中には多重債務者が非常に増えています。
サラ金からお金を借りる人には低所得の方が多く、
ギリギリの生活をしていて、
生活資金が足りないのでつい借りてしまったら、
徐々に返せなくなっていった
というパターンが多いようです。
貸金業者ごとに貸し出し限度額がありますから、
他の貸金業者にも手を出し、
借金がどんどん増えていって
多重債務者になってしまうという
悪循環に陥ってしまうことがあるのです。


この10年ほどの間、
自己破産がすごい勢いで増えました。
95年には5万件だった自己破産件数は、
2003年には24万2千件と、
8年間で約5倍にも増えてしまいました。
ここのところ少し景気が回復しつつあるので
若干減り始めてはいますが、
それでも20万件弱と、
自己破産件数はかなり高水準にあります。


■ グレーゾーン撤廃で懸念される影響

これまで各社金利の上限を29%としていたものを、
所謂グレーゾーンを撤廃し、
貸し出し金利の上限を明確に
利息制限法の20%、18%に下げると
どういうことになるのか。
武富士、プロミス、アコム、アイフルなどといった
消費者金融大手の営業利益が
激減することが想定されています。
実際、それらの会社の株価はどんどん下がっています。


消費者の借入には、
クレジットカードのキャッシングというものもあり、
ここでも利息制限法を越えた
グレーゾーンの金利を取っていた会社が多いのです。
三菱のDCカード(ダイヤモンドクレジット)、
あるいは三井住友カードなど、
皆さんがご存知の
大手銀行関係のクレジットカード会社さえも
これまで27、8%取っていました。
しかし、今回の流れで上限金利を
利息制限法の上限程度まで
引き下げる見込みになったので、
18%まで下げる動きに出ました。
10万円以下とか100万円以上の借入は比較的少なく、
10万円から100万円の借入が中心なので
18%への引き下げになるのです。
こういった会社の中にも
やはり株価を下げているところがあります。


上限金利を下げれば
多重債務者や自己破産は減るでしょうから、
中長期的に見れば望ましいはずです。
しかし、突然下げてしまうと、
中小の消費者金融会社は
バタバタと倒産していくかも知れません。


また、今回の金利の引き下げによって、
消費者金融会社は
リスクの高い相手に対する貸出を絞り込むため、
新規貸し出し対象が半減するといわれています。
これによって、どの貸金業者に行っても
お金を借りることができなくなる人が出てきますから、
自己破産はあるいは
一時的に増えることになるかも知れません。

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