BBIQモーニングビジネススクール > リエゾンと同化(1) (異文化コミュニケーション/鈴木右文)

2008年05月01日 08:00

リエゾンと同化(1) (異文化コミュニケーション/鈴木右文)

今回と次回の2回にわたって、
英語の発音における
リエゾンと同化についてお話します。


■リエゾン -単語と単語をつなげた発音-
リエゾンとは、「つながっている」
という意味のフランス語に由来します。
英語では、
単語と単語をつなげて発音します。
日本語では、原則として、
こうした発音をすることはありません。
日本人が日本語感覚で
リエゾンをせずに英語を話すと、
その発音はネイティブとは
大きく異なってしまいます。
リエゾンは、前回の曖昧母音と同様に、
日本人が間違えやすい発音といえます。


リエゾンの例として、「うなぎ」の意味の
eelという単語を取り上げます。
この語の前に不定冠詞のanをつけると、
anの[n]とeelの母音[i:]がつながり、
[ni:]という発音になります。
つまり、「アンイール」ではなく、
「アニール」と発音します。
こうした現象がリエゾンです。


これに対し、日本語では通常、
単語と単語の間を区切って発音します。
例えば、
「本案は可決されました」の「本案(hon an)」は、
「本(hon)」は最後がnで終わり、
「案(an)」は母音のaで始まります。
仮に、音をつなげてリエゾンをすれば、
「ほなん」という発音になりますが、
日本語では区切って「ほんあん」と発音します。


中学生の多くは、例えば「アンアップル」や
「アンイール」と発音しています。
この発音では、[n]の音をつなげた意味が
なくなってしまいます。
英語では、単語と単語のスペリングの間に
スペースは空いていても、
複数の語をまとめ、長い1語のように
発音することがあります。
例えば、
「そのボートの上で」というon a boatは、
アクセントをboatに置いて、
onとaをつなげる形で1つの単語として読み、
「オナボウト」と発音します。
中学生には、こうした発音の仕方を
「ストロベリー方式」と教えています。
その理由は、複数の語を1語(イチゴ)に
まとめて発音する方式だからです。


もう1点、リエゾンに関連する
興味深い事柄をご紹介しておきます。
「白い靴」の意味のwhite shoes、
「なぜ選ぶ」の意味のwhy choose
の2つを並べて、スペルを眺めてみると、
いずれも単語と単語をつなげて発音する
リエゾンが生じることがわかります。
個々の単語は異なるにも関わらず、
white shoesとwhy chooseは、
リエゾンをして発音すると、
「ホワィチューズ」という同じ音になり、
区別できなくなるのです。


■進行同化 -先行する音の影響で後続の音が変化-
同化には、3種類の現象があるのですが、
今回はまず進行同化について説明します。
進行同化とは、先行する音の影響により、
後続の音が変化する現象です。
最もわかりやすい例は、
複数形のsを、「ス(s)」と発音するか、
「ズ(z)」と発音するかの違いです。


例えば、
猫のcatという語は[kæˈt]と発音しますが、
複数形のcatsは[kæˈts]と発音します。
複数形のsは、「ス(s)」という音です。
犬のdogという語は[daˈg]、
複数形のsがついたdogsは[daˈgz]と
濁った音になります。
つまり、catのtは濁らない音であるから、
後続のsも濁らない音になり、
dogのgは濁った音であるから、
後続のsも濁った音に変化するということです。
先行する音が濁った音であるかどうかが、
後続の音が濁った音になるかどうか
を左右しています。
こうした音の変化があることにより、
明らかに発音は容易になります。
もし逆に、catsのsを濁った音にすれば[kæˈtz]、
dogsのsを濁らない音にすれば[daˈgs]と、
発音が非常に難しくなります。


もう1つの例をご紹介します。
「その場合」の意味のin that caseを、
ネイティブスピーカーが速く話すと、
「イナッケイス」という発音になります。
つまり、先行するinのnの影響により、
thの音がnになっています。
これはthよりもnの方が、
発音が容易なためです。
ネイティブスピーカーは、
毎秒10個くらいの音を発音しています。
1つ1つの音をはっきりと発音していると、
話す速さに追いつかなくなってしまいます。
そのため、速く話す場合には、
thを発音せず、先行するnの音の発音だけで
省略してしまうのです。

リエゾンと同化(1) (異文化コミュニケーション/鈴木右文)MP3ダウンロード

前の記事へ 次の記事へ


ブログ&ポッドキャスト検索

ページの先頭へ戻る