BBIQモーニングビジネススクール > 本当に悪者か?成果主義の今 (人的資源/古川)

2006年07月25日 08:20

本当に悪者か?成果主義の今 (人的資源/古川)

■成果主義とは何か
一時,多くの企業が
一斉に成果主義を取り入れましたが,
一部の企業では成果主義をやめたところもあります。
成果主義という言葉を使いながら,
真面目に評価をせず,社員の給与を引き下げる。
あるいは社員の間で給料や処遇に格差をつける。
それだけがねらいであれば、
いわゆる社員いじめですから、やはり望ましくないですね。


実は,見落とされがちですが,
成果主義には二つの意味があります。
ひとつは,仕事の成果に注目すること,
仕事ですから結果を大事にすることです。
我々が忘れてならないのは,
仕事に取り組む前から成果を具体的に意識することです。
自分が出そうとしている成果とは一体何だろうか,
どんな状態になれば自分は成果を出したことになるのか,
どの水準まで自分は行こうとしているのか。


もうひとつ,
自分で意識した成果や結果に
到達するためには,どんな方法を使うのか,
どんなシナリオを描いて取り組むかを
意識することといえるでしょう。
取り組む前から成果を意識して取りかかることが,
成果主義の一番のポイントです。


景気が良く,右肩上がりの頃は,
昨日と同じことをやっていれば済んでいたわけですが,
今は新しいことに取り組んでいかなければいけません。
要するに,漫然とした仕事ではない。
だから成果を意識して取り組む。
これが成果主義の一番の本質だと私は思います。


■成果主義と目標管理に対する誤解
多くの企業で,
成果主義は目標管理という方法で実施されています。
目標管理の「管理」と言う言葉は,
ノルマ,強制,監視,もしくは締め付けといった
どちらかと言うと悪いイメージがあるかと思います。
ところが,目標管理というのは
「management by objectives」の翻訳語。
これは,自分で立てた目標で,
自分自身を律するマネジメントを意味します。
つまり,主体は自分にあって,
大人のマネジメントと言っていいわけです。
しかしここのところの誤解から
成果主義や目標管理に対する誤解も随分あると思います。


■大手企業での成果主義の反省 - 結果だけを問う評価に陥った
わが国でも,
ある大手の情報通信企業がいち早く,
目標管理を使えないかと成果主義を取り入れました。
13,4年くらい以前になると思いますが,
確かに当初,目標の達成度だけに傾きました。
どれくらい達成したかという,
つまり結果だけを評価していました。
その結果,従業員がみな,無難な目標しか立てなくなり,
皆が目標を達成するようになりました。
しかし,その企業は,グローバル展開をしていますし、
環境変化も競争も厳しい。
ですから,単に易しい目標だけでは駄目なわけです。
個人はすべて個人目標を達成しているが,
会社全体は目標を達成出来ない状態になってしまった。


■反省に基づく成果主義の改訂 – チャレンジングな目標設定とプロセスの評価 -
その企業は,その反省に立って、
5年ほど前に、まずはチャレンジングな目標を立てましょう,
とにかく一歩,自分自身を伸ばす目標を
立ててみようという方式に変えました。
また、そういう目標は
ちょっと背伸びしないと達成出来ない目標ですから,
達成できないこともある。
ですからプロセスを見ましょう,
頑張りも見ますよと,そういうふうに評価の仕方も変えました。

今その企業は,
個人も会社全体も勢いを取り戻しています。
そう考えると成果主義は悪者とだけは言えませんね。
成果主義に限らず,
どんな制度にも良いところがあれば,副作用もあります。
うまく整理して使っていくことが必要ですね。

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