2006年08月09日 08:20
活力生む地方分権(道州制)を急げ
前回の放送で私は,
「ハンザ同盟」を引き合いに出して
時代の流れは「国と国」の付き合いから
「都市と都市」,あるいは「地域と地域」との
付き合いに変わりつつあるという話をしました。
今日は都市と都市が
主体的に自主的に付き合っていく為には,
地方分権になることが必要だということを
ドイツ,イタリア,フィンランドの3つの事例を挙げてお話したいと思います。
■地方分権はお財布(税金)の仕組み改善から
ドイツに行かれた方はすぐに分かると思いますが,
日本の東京一局集中とは異なり,
どこへ行っても地域間格差がありません。
ドイツの殆どの都市はそれぞれ独自性を持っています。
立派なコンサートホールもあれば市庁舎もあり,
何でもワンセット揃っています。
ドイツというのは典型的な地方分権の国です。
日本もこれからの時代は地方がもっと主導権を取り,
より特徴を打ち出していくべきだろうと思います。
その為には,税制も変えなければいけません。
今の日本は「3割自治体」といって,
国が7割、地方が3割という財源になっていて
自治体は地方交付税を政府からもらいます。
そのため,自治体はいつも政府のコントロール下におかれています。
ところが,ドイツでは,逆のことが起きています。
そこでは税金はまず、州政府が徴収し、
その内の4割を中央政府(連邦政府)に上納する形になっており,
財布を持っているのは州であり地方です。
中央ではありません。
つまり、「4割連邦政府」です。
お財布を地方が持つ。これは地方分権の基盤になります。
■地方分権の進むドイツとイタリア
ドイツの場合、上記のように州は独立しています。
その中で南部にあるバイエルン州(州都:ミュンヘン)を
例に挙げると,産業面ではハイテク面,
特にバイオでトップを走っており,ミュンヘン工科大学を中心にして
ベンチャー企業をどんどん輩出しています。
州政府が主導して,バイエルン州に
即した資源配分や施策を推進しているわけです。
それが今,地方産業の産業集積や活性化に非常に役立っています。
イタリアもご承知のとおり99%が中小企業の国で,
非常に企業家精神に富んでいます。
「イタリアモデル」と呼ばれるような産業(例えばシルク,革製品など)が,
高品質高ブランドとして世界で競争力を誇示しています。
この国は,中国の価格競争と一線を画して独特の強みを保っています。
■フィンランド ―人口が500万人で福岡一県と同じ規模―
3つめの例としては,
フィンランド。この国は産業面では政府と企業が連携して,
今,急速に力を付けている国です。
携帯電話で世界トップ企業の
ノキア(NOKIA)などがその代表選手ですが
この国は,ソフトウエア開発,教育,研究開発など
政府と企業の産業連携が非常にうまくいっています。
国の資源配分など、まるで
国全体が一つの企業のように効率的に動いています。
ここであえてフィンランドを例に出したのは,
フィンランドは人口が500万人で九州(1340万人)より遙かに少ない。
福岡県だけだとちょうどフィンランドと同じぐらいの人口です。
そういう意味では福岡県一県だけでも,
やろうと思えば、フィンランド一国と同じようなことが
出来るのではないかと思います。
つまり、日本はフィンランドが24個分ある国と言えます。
中央集権制度という方法は,
ある意味で途上国型のシステムだと思います。
途上国が先進国に短期間に追いつく為に,資源を無駄なく使い,
中央政府の命令一下で一斉に動くのには適したシステムです。
しかし追いついた後は,
それぞれの地方が特徴を生かす地方分権化していくべきです。
私は、日本は1980年代の後半あたりから地方分権に
切り替えるべきであったと思います。
今,道州制や地方分権の議論が行われていますが,
福岡や九州は早く道州制を導入し、
色々な政策が自分で展開できるようにすべきです。
そして、東アジアとの都市連携が出来るように努力して行く事が必要です。