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2006年08月22日 08:20

採用で企業が期待する能力はどのようなものか? (人的資源/古川)

■企業が新人に期待する能力
  先週は、企業の新規採用者数が
相当に上向いてきたという話をしました。
その採用で、企業が新人に期待する能力とは何でしょうか。
企業も欲張りですから,いろいろなことを期待しているのは間違いありませんが、
結論を先にいいますと,「基礎」や「基本」がしっかりした人が欲しいと
思い始めていると思います。また「人間力」というのも注目されています。


■これまでは即戦力や応用力が強調されていた
  数年前までは,経営環境の厳しさから,
企業には少し焦りがあって,「即戦力」や「応用力」を口にしていました。
学生の皆さんもそれになんとか応えようとして、
学校での勉強に加えて、専門学校に行って資格を取るなど
頑張っていました。それで即戦力が身につくと思ったわけです。
ところが今,日本の景気が成長基調になってきて,
企業は、「さぁ少し手を広げよう」,「いろいろな形で事業を
拡張しよう」とし始めています。それにもかかわらず
社内を見渡してみても,なかなか「人材がいない」という声をよく聞きます。
頭数があっても,しっかりした力も持つ
人材(新人、中堅、そして管理者についても)が
実はそう多くないことを企業は嘆いています。
これは昨年あたりからしきりに耳にする話です。


■今求められているのは基礎能力や人間力
 そんなことも反映して,最近は,
あらためて即戦力的に動けることも大切ではあるが,
むしろしっかりと着実に考え、かつ論理的に仕事が運べるような力,
つまり基礎的な能力を確実に持った人材を求めているといえます。
読める力、考える力、そして書く力にも関心を持っています。


 さらには,最近いろいろな不祥事なども
頻発していることもあり,「人間としてもしっかりしていてもらいたい」と
企業は思っています。そういうことから「人間力」という言葉も注目されていると思います。


■経済産業省が勧める3つの社会人基礎能力について
  そのような企業の動向と符合して,
今年の2月に経済産業省が「社会人基礎力」として3つの力を提案しています。
第一に「前に踏み出す力」。一歩前へ,失敗してもくじけない,
そんな力を持ってもらいたいと。第二に「考えぬく力」。
いろいろなことに疑問を持ち,考え,それこそ考え抜く力が欲しい。
そして第三に「チームで働く力」。目標に向けて皆で協力する力ですね。
これら3つの力をぜひ備えてもらいたいと経済産業省は提案しています。
また面白いことに,経済産業省は,
職場だけでなく,地域でもこれらの力を持った人材が必要であると提案しています。


■社会人基礎能力についての企業および大学生体調の調査結果
 この社会人基礎能力に関しては,全国で調査も実施されています。
東証一部の上場企業と中堅や中小企業を対象とした意識調査です。
その結果では,一部上場の企業は,
社会人基礎能力の3つの中で何を一番期待しているかというと,
「前に踏み出す力」,会社を引っ張ってくれるような,
あるいは積極的にやっていけそうな人材を期待しているようです。
一方,中小企業の方では
もちろんそういうことも気にはなるけれど,
「チームで働く力」に一番関心を持っているようです。


 この調査では,大学生(院生を含む)を対象とする調査も実施されています。
大学生は、「自信があるのは3つのうちのいずれですか」と尋ねられて,
それは「チームで働く力」と答えています。
本人達はそう思っているのでしょうね。
一方,「自信がないのはいずれですか」と尋ねられて,
「前に踏み出す力」を最も多くの学生が挙げています。
これはとても興味深い結果ですね。
確かに前に踏み出す力というのは
そう簡単ではないと思いますが,これから必要になる力です。


■実力はあっても自信のもてない学生たち
 今の学生さんは,
実は元気もあるし優秀だと思うのですが,
彼らは前に踏み出す力がないと思っています。
一種の取り越し苦労ではないかと,私は思っています。
行う前から、「失敗したらどうしよう」と考えてしまうのでしょうね。
実は,やれば出来るのに,消極的に捉えてしまう
最近の学生にみられる傾向が,その調査結果によく出ていると思います。


 彼らをして,一歩前に踏み出させるためには,
企業がいい意味で自信を持たせ、かつフォローもしてやる必要があるでしょうね。

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