BBIQモーニングビジネススクール > 中国の製造業の強み弱み

2006年08月23日 17:00

中国の製造業の強み弱み

■中国の製造業の強みと弱み
  今日は,中国の産業,
特に製造業の強みと弱みが日本と
どう関係するかについてお話したいと思います。
先週,中国の産業水準はまだ本当の意味の
世界の工場にはなっていないという話をしました。
その一方では中国の産業は
やはり日本にとって驚異だという声もあります。
その中で中国はどこが強くてどこが弱いのか。
特に今日は製造業についてお話します。


■最終組み立てに強い中国
  今世界はグローバル化が進んでいます。
同時に,IT技術の進展によって、
製品設計のアーキテクチャ(製品設計の特性)でいえば,
世界中から汎用部品を取り寄せてそれを組合せ,
組み立てるだけでいい製品が増えてきました。


  このため企業のいろいろな機能が,
例えば研究開発や製品開発,金型や製品の生産,
マーケティング,販売,物流,ファイナンスといった
製品生産に関わる一連の機能プロセスが
世界中で分担される時代になっています。


  中国の強みというのは,
上記のような汎用部品を寄せ集めて
組み立てるかたちの製品の分野にあり,
安い労働力を使った最終組み立ての部分,
ここが一番強いわけです。
中国はこの機能プロセスを世界の中で担っているというわけです。


■開発力に弱い中国
  一方で中国の弱みといえば,
研究開発力や製品開発力が弱く,
オリジナルの製品を開発して他社に先駆けて
市場に投入するとことが十分に出来ていないということです。

  今,中国の製造業の問題点を探ってみると,
日本の場合は企業が研究開発や生産など
製造に関わる機能のほとんど全部を担えるのに対し,
中国の場合は研究開発や製品開発を大学が担っています。


  言い換えれば,後で述べるように
企業にはそれらの十分なリソースがありません。
すなわち,研究開発と製品生産という機能が
大学と企業に分かれていてその間に距離があるのです。


■中国メーカーの製造は重要部品を海外企業に依存
  また,中国企業の場合は,
製品の心臓部となる重要な部品を
日本などの先進国の企業から購入して,
最終の組み立てをやっているということです。
ですから中国の代表的な家電メーカーは
いろいろありますが,そういった中国でも
1,2位を争うような有名なメーカーでも,
テレビやエアコンの場合でも,製造原価の7割に相当する
いろいろな重要部品(例えばブラウン管,コンプレッサー,
ハイテク電子部品など)の殆どを先進国に依存しているわけです。


  こうした重要部品を外国メーカーに
依存している中国では,製造原価全体の7割が
外注であり、後の3割の中から何とか利益を出さなければならない。
中国には家電メーカーは100以上もあり,
メーカー間の競争が激しい。必然的に,
供給過剰になり,製品の値下げ競争になります。 
そうなると利益が出にくいということになります。
その結果,中国企業は製品開発だとか
研究開発にお金を回す余裕がないという悪循環に陥ります。


■これからの中国は日本の脅威となるか
  しかし,中国は外国製品を模倣するのが
上手いですから,いつの間にか中国に技術が
移転しているということも十分に考えられます。
中国企業の特徴として,
先進国の製品や部品を模倣し,類似商品(まがい製品)を
どんどん生産していることがあります。
そのことに関して,先進国,特に日本の企業は
相当神経を尖らせていますがなかなか解決策が見出せません。
模倣を経て中国と日本の差は縮まっていくことは間違いない。


  日本としては絶えず技術革新を行って追いつかれないように努力すべきです。
同時に、中国のモノづくりと日本のモノづくりは
製品設計の基本特性が違います(このことについては
別の機会に詳しく説明します。)から、
その違いを生かしてうまく分業して行けばいいとも考えられます。
重要部品は日本が担当し、組立ては中国が担当する、つまり、共存共生です。

前の記事へ 次の記事へ


ブログ&ポッドキャスト検索

ページの先頭へ戻る