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2006年09月07日 08:08

次世代DVD規格争いがもたらすもの (産学連携/高田)

青色レーザーを用いた 次世代DVDレコーダーの規格
結局統一されずに、2つの規格でスタートしました。
今日はこの次世代DVDの規格争いについてです。


■ 2陣営の対立

次世代DVD規格はふたつの陣営に分かれています。
ひとつはソニーや松下が中心の「ブルーレイ陣営」で、
もうひとつは東芝が中心の「HD DVD陣営」です。
この構図は、かつてのベータとVHSの争いを彷彿とさせます。


東芝とソニーの争いは今に始まったものではありません。
現行DVDの規格争いの時は、東芝はハリウッドを味方に付け、
ソニーとの争いに勝利したという経緯があります。


この争いに懲りた業界は、「DVDフォーラム」 という、
DVDの規格標準化を行う組織を設立しました。

しかしながら、各メーカーの技術開発に対するプライドというものもあったでしょうし、
また、100億円を超える開発資金を投入していたこともありましたから、
結局規格統一は実現しませんでした。


■ ユーザー不在の覇権争い

この状況を、消費者はどう見ているのでしょうか?
一般ユーザーに対する次世代DVD規格に関してのアンケート調査では、
全体の半分近くがブルーレイとHD DVDの違いについて、
ほとんど理解しておらず(つまりどっちでも良い)、
また、7割が規格争いに決着が付くまでは次世代DVDレコーダーは購入しない、
という意思を示しています。


これはつまり、ユーザー不在のまま両陣営が覇権争いを
続けている状態にあることを意味しますから、両陣営が現在何の為に争っているのか
ということの根本が問われることになります。


■ 覇権争いに勝利しても利益を得られるか

最近では、技術革新のスピードが速いため、
先端技術を結集して新製品を開発しても十分に利益を上げられないまま
低価格化の波に呑まれる状況もしばしば見受けられます。


例えば、CDプレーヤーは価格が半分に下がるのに約7年かかりましたが、
現行のDVDプレーヤーは3年ほどで価格が半額になっています。


つまり、先端技術開発に投資し、規格争いに勝利したとしても、
ビジネスとして投資を回収出来るとは限らないのです。


■ i-podの成功に学ぶこと

一方でアップル社のi-podは相変わらず売れています。

特に革新的な技術を導入したというわけではなく、
シンプルな機能と使いやすさ、高いデザイン性によって、
あっという間に携帯音楽プレーヤー業界でブランドを確立しました。


また、i-podの登場はコンテンツ流通の仕組みに大きな影響を与えました。

もはやCDショップでCDを買うのではなく、ネット経由で好きな曲を買う時代になりました。
その影響があったのか、先日、アメリカの有名なタワーレコードがついに倒産してしまいました。


■ トレンドを見極めることの重要性

i-podがもたらした、「店で買わない」あるいは「店で借りない」
というコンテンツ流通の仕組みが更に進むと、
街のレンタルDVDショップもそのうち無くなってしまう可能性も否定出来ません。


このようなトレンドがあるにもかかわらず、次世代DVD規格の両陣営が
ユーザー不在のまま規格争いに熱中していると、
気が付けば次世代DVDなど使わなくてもネット経由でコンテンツをやりとりし、
必要なものだけハードディスクに保存する…

という時代になってしまっているかも知れません。


いかに競争に勝つかということも重要ですが、
「社会のトレンドを見極める」ということはもっと重要なことです。
これから両陣営の規格争いがどのようなトレンドを生み出し、
社会にどのような価値をもたらすのか?今後注目していきたい点です。

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