2006年06月09日 08:20
年金問題 (村藤/財務)
年金制度は100年の安心を歌いながら、
もろくも崩れ去ったという経過があります。
しかし国民は年金というものに注目しています。
今日はこの年金制度の問題点と、
年金制度への提案について述べていきたいと思います。
■ 年金制度の問題点
年金保険料は国民全員が徴収されるものです。
自分で自分の分を貯めているので、
老後に年金をもらうのは当たり前だと思っている方々は
たくさんいらっしゃると思います。
しかしわが国の現行の制度は、
自分で自分の分を貯めるのではなく、
若者が高齢者を養う「世代間の再分配方式」の形をとっています。
これを「賦課方式」と呼びますが、
このように現在の若者が現在のお年寄りを助けるということになると、
これから少子高齢化で高齢者がたくさんになって、若者が少なくなると、
制度は破綻してしまいます。
■ 賦課方式から積立方式への転換
少子高齢化が進んでいるのだとすれば、
第一に提案したいのは、賦課方式から積立方式への転換です。
つまり、現在のように、若者がお年寄りにお金をあげるという状態から、
自分で自分の分を積み立てるという状態へ移行するということです。
アメリカでは401Kと呼ばれており、日本でも一部導入されています。
しかしながら、ほとんどは賦課方式をとっています。
少子高齢化の時代においては、
ほとんどが積立方式という状態に移行しないと、
年金制度は成立しえなくなります。
■ 移行期の負担
もし積立方式に移行しようとすると、
たとえば自分の年金の積み立てを課税所得から控除するなどの、
税務上の優遇制度を始めとした色々な手当が必要となってきます。
政府の腹がなかなか決まらないのは、このような事情にもよるのでしょう。
また、現在の不足額は少なくとも150兆円程度と考えられていますが、
これを誰が負担するのかという問題があります。
年金制度導入時には、全く年金を積み立てていないのにも関わらず、
お年寄りだからということで年金給付された方々がいました。
こういった方に負担してもらおうという考え方もありますが、
既に亡くなっておられるためこれは不可能です。
この問題に対するひとつの案としては、
高齢者のお金持ちの方に少し負担して頂く一方、
50年、100年単位で徐々に150兆円という不足分を
なんとか積み立てるという形で、
賦課方式から積立方式に移行していくということが
考えられると思います。
■ 財投運用から分離運用への転換
現在は郵政民営化や公的金融機関統合の話が進み、
財政投融資は縮小に向かいつつありますが、
これまでは国民が郵政公社の郵貯・簡保に約350兆円のお金を積み立て、
政府が公営事業や公的金融機関などでこれを運用していました。
実は郵貯と簡保だけではなく、
150兆円という年金も財政投融資として使用されていました。
我々の老後のお金ですから戻ってこなくなったら大変です。
本来であれば財政投融資とは分離して年金のみで運用し、
国債や安全な社債などで運用すべきものです。
しかし、郵貯、簡保、年金で
総額500兆円という額が政府の財政投融資として投資されました。
バブル崩壊やおかしな投資の結果として
50、100兆が不良資産化してしまい、
いまさら返せといっても返ってこないという話なのです。
したがって年金についてのもうひとつの提案は
年金を財政投融資から分離運用することです。
これは、郵政民営化にも関連する話です。
つまり、これまでは財政投融資というものに
500兆円をつぎこんでいたけれど、
郵政民営化に伴い
350兆円を徐々に縮小していく計画になっています。
年金をどうするかはまだ明らかになっていませんが、
年金にも財政投融資に預託した資金を返還し、
財政投融資とは分離して運用する。
まずはこのことを実行しなければならないと考えます。
■ 運用方式の転換に伴う負担
既述のように、
財政投融資により50、100兆程度が不良資産化してしまいました。
したがって、これを誰が負担するのかという問題が生じます。
これも5年、10年では片付かない問題なので、
時間をかけて税金を投入しながら減らしていくとか、
富裕層の高齢者に負担してもらうなどの
対策が必要となってくるものと考えます。