2006年06月08日 08:20
地域ブランド (産学連携/高田)
最近よく目にしたり耳にしたりすることがあるかと思いますが、
「地域ブランド」というものが商標登録できるようになりました。
例えば「松坂牛」「魚沼産こしひかり」など、地域名と商品名(あるいは役務)が
商標として登録されています。これによって偽物を排除したり、
地域のブランド力の向上に繋げていこうという動きが急速に増えています。
■ 新たに導入された地域団体商標制度
その背景には、今年4月1日からの「地域団体商標制度」という制度の導入があります。
この制度によって、いわゆる「地域ブランド」が出願できるようになりました。
ただし個人が思いつきで勝手に出願できるというわけではなく、
ブランドを実際に製造したり販売したりしている地域の共同組合などの団体が、
自分たちが育ててきたブランドに関しての
地名と商品名を組み合わせて商標出願出来るというものです。
例えば九州について見てみると、「博多人形」が出願されていますし、
北九州には有名な合馬の筍というものがありますが、
「合馬たけのこ」なんていう商標も出願されています。
あるいは皆さんおなじみ「黒川温泉」という名前も出願されているようです。
このような地域ブランドというものは、九州に限らず全国で出願が相次いでいます。
■ 制度のもつ効果
こういった取り組みというのは地域ブランドづくりの求心力に繋がります。
つまり、地域で統一された名前をみんなで持つことによって、
地域ブランドづくりにみんなで取り組んでいきましょうという意識が高まります。
たとえば福岡県産で有名な「あまおう」という苺のブランドは、
県をあげて生産、流通、広報を総合的に展開して、
まさに地域のみなさんの力を結集してブランドづくりをされています。
またそのほかには、せっかく地域ブランドを作ったのに、
悪徳業者にただ乗りされて粗悪品を流通させられるなどといった動きを
法的に排除できる効果もあります。
海外から粗悪品を輸入、販売する業者を水際で食い止めることが出来ますので、
築き上げたブランドを守るために、
商標として登録しておくということがとても重要になってきます。
■ 制度の問題点
京都などは地域ブランドが多そうだと思いますよね。
4月にこの制度が始まって、10日間で実に109件もの出願があったそうです。
このような場合、困った問題が生じます。
例えば八つ橋。京都のような歴史ある地域になると、
八つ橋を製造、販売している組合は色々なところにあります。
そうなると似たような名前、あるいは同じ商標を
異なる団体がそれぞれに出願するという事態が生じてしまいます。
特許庁の審査により今後権利が確定していくものと思われますが、
権利が確定していくにつれて、
あの権利は俺のものだ、私のものだという
トラブルが発生する可能性があるかもしれません。
しかし、そのようなトラブルの可能性を考慮しても、
基本的にこの地域ブランドの商標登録という方法は
前向きなものだと考えます。
既述の通り、地域に求心力をもたらします。
全国誰が聞いても“あの地域”というのが頭に浮かぶのは
大きなメリットになりますから、
地域をあげてしっかりみんなで
ブランドを作り、それを守っていくということは重要な活動です。